福留男気「主将代行」宣言 鳥谷の復活願い「一度預かる」

[ 2016年12月2日 05:36 ]

日帰りツアーのトークショーに参加した阪神・福留(左)と岡崎
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 男気たっぷりの「主将代行」宣言だ。阪神・福留孝介外野手(39)が1日、滋賀県大津市の琵琶湖グランドホテル京近江でトークショーを開催。来季のキャプテン就任決定後、初めて口を開き「僕の表現では鳥谷から1度“預かる”」と強調した。勝負の年となる前主将の肩の荷を少しでも軽くし、復活をサポートする構えだ。

 熱い言葉が口からあふれ出た。自身のことではない。今季、もがき苦しむ姿を間近で見てきた、かわいい、そして敬意も抱いている後輩の復活のため、福留は一肌脱ぐことを決意した。

 「僕がキャプテンになったけど、その前にトリ(鳥谷)と話をした。僕が言ったのは“一度キャプテンを預かるけど、このチームには必ず鳥谷の力が必要”ということ。僕が預かる代わりにトリにももう一度、“鳥谷”というの(本来の姿)を取り戻してほしい」

 男の約束だった。本来なら外様でチーム最年長の自分がやるべきではない。いや、今のチームに鳥谷以外にふさわしい選手はいない。ただ、今季大不振に陥り、不動の遊撃手の座も失った背番号1は、来季がプロ野球人生の正念場。その重圧を少しでも軽減させ、自らの復活に全身全霊を傾けられるように、福留が一時キャプテンマークを預かる。そして本来の姿を取り戻したところで、再び付けてもらいたい。鳥谷も先輩の思いをしっかりと受け止めた。

 「もし、トリと話していて、そういう気持ちが伝わっていなければ受けるつもりはなかった。トリも“チームが勝てるというのがしっかり見えるのであれば、お願いします”と言ってくれた。だからキャプテンを任されたというより、僕は預かっているだけ」

 自身の方がプロ野球選手としての実績も年齢も上だが“阪神タイガースの…”という前置きが付けば話は別。生え抜きのスター選手として虎の看板を背負い、今季まで5年間キャプテンの重責を務めてきた鳥谷は、ここでは別格の存在なのだ。福留はチームの将来まで見据えて力説した。

 「同じベテランでも、若い選手が僕を見るのと鳥谷を見るのとは違う。やっぱり生え抜きの選手からすると鳥谷は憧れ。若い選手にはトリからキャプテンマークが行ってほしい。それがタイガースが強くなるために必要なこと。僕からというのはやっちゃいけない」

 球団初の移籍組、そして歴代最年長のキャプテン。「ユニホームを着ている以上、気の抜けたとか中途半端なことはしてほしくない。そういうところは厳しく言うことは言う」。完全復活に専念する鳥谷に代わるナインの統率役。キャプテンの第一声が頼もしく響いた。(山添 晴治)

 ▼今季の鳥谷 開幕20試合で打率1割台と不振が続き、6月には自己ワーストの28打席連続無安打も記録。遊撃守備も救援までに10失策と乱れた。浮上の兆しが見られないまま7月24日広島戦(マツダ)で先発を外れ、連続フルイニング出場が667試合でストップ。9月には北條に遊撃を譲り、ルーキーだった04年以来となる三塁で出場。結局、12年連続で全試合出場も、自己ワーストの打率・236に終わった。

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