【記者の目】WBC 4回目でもなお埋まらぬ日米の温度差

[ 2016年12月1日 08:43 ]

新コボスタ宮城を訪れた田中がインタビューに答える
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 前回13年のWBCは日本人大リーガーの招集はゼロで、準決勝敗退の要因の一つとされた。そもそも日本と、主催しているはずの米国での大会に対する温度差が著しい。

 前日には米スポーツ専門局ESPNが第4回大会を最後に打ち切りとなる可能性を報道。米ヤフースポーツは「大リーグファンは興味を持っていない。メジャーの公式戦の方がより重要」と理由の一端を指摘した。球団も巨額契約の選手に故障などのリスクを背負わせたくなく、目の届くキャンプで調整させたいのが本音だろう。

 近い例は今夏のリオ五輪から新設されたゴルフ。松山英樹はじめ多くのトッププロがジカ熱を含む衛生環境を理由に出場を辞退した。背景にゴルフ界で五輪自体の価値がまだ低いことがあり、多くのプロがリスクと照らし冷静に判断を下した。

 米国ではア・リーグのサイ・ヤング賞のレッドソックス・ポーセロ、右肘に不安を残すメッツ・シンダーガードら、辞退表明済みの先発投手もいる。3月という開催時期にも問題が多い。第4回にしてなお、大リーガーが大手を振って参戦する空気には至っていない。(大リーグ担当キャップ・後藤 茂樹)

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