WBC 来年開催で最後?主催MLB“労力に見合っていない”

[ 2016年11月30日 05:30 ]

06年の第1回WBCで優勝し胴上げされる王監督
Photo By スポニチ

 侍ジャパンが世界一奪回を目指すワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が、来年3月に開催される第4回大会限りで終了する可能性があると、米スポーツ専門局ESPNが28日(日本時間29日)に報じた。複数の情報筋の話として、「(次回大会で)大きな収益を上げられなければ、17年WBCが最後の大会になるかもしれないと聞いている」とした。

 WBCは、大リーグ機構(MLB)と大リーグ選手会が共同運営するWBCIが主催する大会で、06年の第1回大会から日本が連覇し、13年の前回大会はドミニカ共和国が初優勝した。力を入れている日本や韓国、中南米諸国とは対照的に、米国内の盛り上がりはいまひとつ。開幕前の3月に開催されるため、米国は大物大リーガーが相次いで辞退。過去3大会で優勝は一度もなく、前回は2次ラウンドで敗退した。

 前回大会の総収入は約80億円と言われているが、諸経費を差し引いた純利益は10億円程度。1兆円ビジネスを展開しているMLBにとっては、出場各国との調整や会場確保などの労力に見合った利益を得られていないのは事実だ。ESPNは「米国代表の低迷とサポート不足もあり、各国が選手の故障に備えてかける保険金と分配収入の採算が合わないことが大きな懸念材料」と伝えた。

 国同士が世界一を争う大会としては、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が主催し、昨年11月に第1回大会が日本と台湾の共催で行われたプレミア12があるが、MLBはメジャー40人枠の選手の派遣を認めなかった。WBCが第4回大会を最後に消滅するようなことになれば、侍ジャパンの活動にも影響を及ぼすことになりかねない。

続きを表示

2016年11月30日のニュース