主将指名、背番号3…西武・浅村に訪れた成長のチャンス

[ 2016年11月26日 11:00 ]

23日のライオンズサンクスフェスタで、閉会のあいさつを行った浅村(右)に拍手を送る辻監督
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 「若獅子」への期待の表れだろう。西武の浅村は入団時から背負ってきた背番号「32」が「3」に変更され、さらに辻新監督から新キャプテンに指名された。3年連続Bクラスからの巻き返しを狙う「新生ライオンズ」の象徴的な存在になってほしいとの願いが込められている。

 パワーだけでなくミート力も兼ね備え、勝負強い。そうした打撃の凄みやいかつい見た目とは裏腹に、性格は温厚でシャイだ。「あまり前に出て行くのが得意じゃない」と話すように、言葉よりもプレーでチームを鼓舞するタイプの選手。ところが、今季の後半戦から行動に変化が見られた。試合中、ピンチの場面で二塁のポジションから投手に声を掛けに行く場面が明らかに多くなった。

 「そういうのもやっていなかないといけないのかなと思って、意識的にやるようにしました」。一時は最下位に低迷するほどチーム状態は悪かったが、だからこそ率先して動くんだという意識や自覚が芽生えた。同じ二塁手の大先輩でもある辻監督も「そういう話は聞いている。すごくいいことじゃない。遠慮せずにどんどんやってほしいね」と期待する。

 中島、栗山と続いたキャプテンの系譜を継ぐことになり、求められるものも大きくなる。26歳という若さゆえの苦労もあるだろう。だが、グラウンドに出れば年齢は関係ない。浅村と同じく今季のベストナインに輝いたロッテ・鈴木やDeNA・筒香も若くして主将を務めている。むしろ、キャプテンの「若年化」は近年のプロ野球界の潮流でもある。

 胸に「C」マークをつけることで、今まで以上に行動や発言が注目される。シーズン中、チーム状態が悪ければ苦悩や葛藤に悩まされることもあるだろう。一方で、チームリーダーの立場でしか経験し得ないことも多いはず。「立場が人を育てる」という言葉がある。浅村にとって、野球人として大きく成長するチャンスが訪れている。(記者コラム・重光 晋太郎)

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2016年11月26日のニュース