165キロ、日本一の規格外!大谷「まさか」史上初ベストナインW受賞

[ 2016年11月26日 05:30 ]

16年の主役!納会の会場に到着しベストナイン受賞について話す大谷
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 史上初のダブル受賞!セ、パ両リーグは25日、今季のベストナインを発表し日本ハムの日本一に貢献した大谷翔平投手(22)が、投手とDHの両部門で選出された。投手では10勝4敗、防御率1・86、打者では打率・322、22本塁打、67打点。今季から投手と野手の重複投票ができるようになり、規格外の活躍が評価された。いずれも規定投球回、規定打席には達しておらず、5年目の来季は「ダブル規定」でのダブル受賞という究極の二刀流を完成させる。

 北海道を代表する温泉地・登別。デニムシャツとホワイトパンツの爽やかな装いで現れた大谷の表情が少し緩んだ。投手とDHでベストナインをダブル受賞。史上初の快挙に「選ばれると思っていなかったので素直にうれしい。もっともっと頑張らないといけないと思った」。投票規定の変更により、二刀流が一つの形として実を結んだ。

 二刀流4年目は打者で飛躍を遂げた。シーズン序盤に自身最長の5試合連続本塁打をマーク。球宴後は右手中指マメの影響もあり1カ月以上も打者に専念し、打ちまくった。20本塁打の大台に乗せたのも自身初だ。

 その一方、投手では3年連続の2桁勝利を達成したものの、21試合の登板にとどまり「良いところと悪いところがはっきりしていた」。リーグトップの15勝を挙げたソフトバンク・和田らと比べて物足りないのも事実だ。それでも、自身が持つプロ野球最速記録を165キロまで伸ばし、優勝決定試合で史上初の1―0完封も飾った。強烈なインパクトを残したことが受賞につながった。

 ただ、大谷は素直な気持ちを打ち明けた。「規定打席にも規定投球回にも届いていなかったので“まさか”という気持ち。チームが優勝したのでそういうところも評価してもらえたと思う」。規定投球回数には3イニング、規定打席数には61も足りなかった。1試合4打席と仮定すれば、あと15試合以上の打者先発出場が必要だ。だが、今季はDH解除のリアル二刀流、登板前後日の打者出場を解禁するなど、二刀流は年々進化を遂げる。「来季は今季以上の結果でまた(ベストナインを)獲れるように頑張りたい」。規定投球回はもちろん、規定打席数到達も決して夢ではない。

 現在、大谷はシーズンの疲れを考慮しノースロー調整中。利き手の右手を極力、使わない方針で、この日の選手会納会ゴルフにも参加しなかった。今後の課題について「いっぱいありすぎる。一つに絞りきれない。来年までに一つでも多く克服したい」と真顔で答え、「また日本一を獲るのが目標。(来年は)個人的にも納得のできるシーズンにしたい」と締めた。たゆまぬ努力が、才能の花をもっと開かせる。 (柳原 直之)

 ≪規定未満は大魔神以来2人目≫今季の大谷(日)は規定投球回と規定打席に未到達ながら、投手、指名打者両部門でベストナインに。規定未満でのベストナイン受賞は今季の石原(広)、田村(ロ)らもおり、史上初ではないが、指名打者では10年の福浦和也(ロ)に次ぎ2人目。また、投手でも98年の佐々木主浩(横)以来18年ぶり2人目でパ・リーグ初となった。

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