広島 地元に5億円寄付「マエケンマネー」還元だ

[ 2016年11月22日 05:30 ]

今季25年ぶりのリーグ優勝を果たした広島
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 広島は21日、25年ぶりリーグ優勝の後押しとなった熱烈な応援に対する“恩返し”として広島市への5億円の寄付を発表した。今季は球団史上最多の215万7331人の観客を集めたほか、昨年まで在籍した前田健太投手(28)がポスティングシステムでドジャースへ移籍した際に約23億6千万円(契約時のレート)の譲渡金を得たこともあり、収入の一部を還元。4億円は少年野球などのスポーツ広場の整備、1億円は原爆ドームの保存費用に充てられる。

 「地域球団」を自負する広島らしい粋な“恩返し”が実現した。広島市によれば、球団はスポーツ振興費や少年野球振興費を目的に30年にも渡って毎年1000~3000万円の寄付を続けてきた。今年も継続的な活動ながら金額はなんと5億円まで上昇。21日までに広島市へ振り込んだ。

 太っ腹な寄付には地元の熱烈な応援に対する感謝が込められた。昨季は主催試合で観衆は211万0266人を集めて球団史上初の200万人を突破し、今季はさらに上回る215万7331人で球団最高を記録。本拠地マツダスタジアムでは49勝20敗1分けで驚異的な勝率・710も25年ぶりリーグ優勝の大きな要因になった。昨オフには前田がドジャースへ移籍した際に約23億6千万円(契約時のレート)の譲渡金を得たこともあり、すでに今年2月にはキャンプ地の宮崎県日南市と沖縄県沖縄市に1億円ずつ寄付していた。

 「少年野球やソフトボールなどができるスポーツ広場の整備」に4億円、「被害の惨禍を後世に伝える原爆ドームの保存」に1億円が充てられる見通し。松田元(はじめ)オーナーは特に東京ドーム約8個分にあたる36万平方メートルの面積を誇る西飛行場跡地(広島市西区)についてスポーツを通した地域振興を望んだ。

 「ソフトボール場が4面できるという話を聞いている。三次などソフトボールが盛んなところは、野球も盛んになる。将来、野球選手になりたいという子が出てきてほしい。サッカー場もできるようだ」。原爆ドーム保存への寄与には「球団ができる大きな動きになったものなので、すごく意識している。復興の原動力となったものにお金を使ってほしかった」と球団創設期に思いをはせた。

 松井市長は「広島市民を代表して心から感謝申し上げます。本市のスポーツの発展並びに核兵器廃絶と世界恒久平和の大切さを訴え続ける原爆ドームの保存のために、有効に活用させていただきます」と謝意。来季の目標になった33年ぶり日本一へ球団と市民との絆は深まった。

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2016年11月22日のニュース