由伸監督 終盤“弱い”ナインにお手本!9回逆転呼ぶ同点二塁打

[ 2016年11月21日 05:30 ]

チャリティー試合 ( 2016年11月20日    台中インターコンチネンタル )

<巨人OB・台湾OB>9回無死満塁、同点となる中越え二塁打を放つ高橋監督

 指揮官が台湾で、お手本打だ!巨人・高橋由伸監督(41)が20日、「巨人OB選抜VS台湾OB選抜チャリティー試合」(台中インターコンチネンタル球場)で、9回に大逆転勝利を呼び込む同点の中越え2点二塁打を放った。今季巨人は逆転勝利がリーグ最少の23試合、一方で逆転敗戦は同ワーストの38試合で、終盤の試合運びは大きな課題だった。現役時代と変わらぬ高橋監督の勝負強さは、現役ナインに生きたお手本となった。

 見逃さなかった。2点を追う9回無死満塁、120キロの直球が真ん中高めに浮いた。高橋監督は柔らかなリストワークでジャストミート。中堅後方で大きく弾みスタンドに入るエンタイトルの同点2点二塁打が、一挙9得点での大逆転を演出した。

 「最後はいい当たりが出たかな。少しでもいいところを見せられてよかった」。試合直後は素っ気なかったが、移動のバスに乗り込む間際に「選手へのお手本になった」と問われると、「大事だよ。ああいうところは」とはにかんでみせた。

 3番・中堅で出場。9回までは敵失で2度出塁も5打数無安打だった。巨人OB選抜も6―11で最終回に入る苦しい展開。ところが9回、3点を返しなおも無死満塁。阪神で活躍した郭李建夫(カクリ・ケンフ)を相手に「高橋由伸」らしい勝負強さを披露した。今季の巨人は投打ともに終盤の試合運びの精彩を欠き、リーグ2位で終了。逆転勝ちはリーグ最少の23試合、逆転負けはワーストの38試合。追い詰められた土壇場、試合の勝負どころでの一打は来季課題の一つだった。

 人生3度目の訪問だった台湾で、改めて勝負師の本能も感じた。先輩たちに交じったチャリティー試合。和気あいあいの雰囲気が、プレーボール後は誰もが真剣勝負モードになった。7回に代打で登場したソフトバンク・王貞治球団会長が、ファウルを放った勢いで転倒。「王さんも実際、打席に入ってボールが来ると力が入るんですね」。衰えない野球人の本能を再確認した。

 巨人OBではまだ1年生。チーム唯一のフル出場を「こんなもんでしょ」と笑った。1年のブランクを経て放った1安打。青年監督らしい、プレーで見せたチームの目指す道筋だった。(台中・春川 英樹)

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2016年11月21日のニュース