糸井決めた!阪神移籍 21日両球団に連絡し正式表明へ

[ 2016年11月21日 05:31 ]

オリックスからFA権を行使した糸井

 オリックスから国内フリーエージェント(FA)権を行使した糸井嘉男外野手(35)が、阪神移籍を決断したことが20日、分かった。11日に大阪市内のホテルで金本知憲監督(48)も同席した初交渉に臨んで以降、熟考を続けてきたが、この日までに自身3球団目となる新天地でプレーする意思を固めた。21日に両球団に正式に伝える予定。05年以来、12年ぶりとなるV奪回へのキーマン「虎の糸井」が誕生する。

 11日に阪神と初交渉を行って以来、表舞台に姿を見せずに沈黙を続けてきた糸井が、ついに答えを出した。同じ在阪球団の阪神へ――。オリックスには13年に日本ハムから移籍し、今季まで4年間プレー。愛着もあり、球団からは4年総額18億円前後の提示を受け、残留も視野に熟考を重ねてきた。来年7月には36歳。野球人生最後となるであろう移籍の機会で、糸井は14年目の新天地を初のセ・リーグに求めた。

 阪神側は初交渉以降も、「進ちょく状況を言うつもりはありません。変化があれば申し上げるスタンスでいく」(高野栄一球団本部長)と水面下で交渉を継続。4年総額18億円の条件に加え、今季まで西岡がつけていた背番号7を提示するなど誠意を示してきた。高野本部長はこの日も「まだ返事はもらっていません」としたが、すでに細部は合意に達しており、本人から正式な連絡を待つだけとなっている。

 来季のV奪回を目指すチームにとっては、待ちに待った吉報だ。FA交渉解禁日の11日に、秋季キャンプ地の高知・安芸から駆けつけて直接交渉に臨んだ金本監督は、糸井を「初めての恋人」「恋人以上」と表現。約1時間にわたって熱烈なラブコールを送った。攻撃的2番打者としての起用も視野に入れ、来季の戦力として不可欠であると強調。何より、指揮官自身が02年オフに広島から阪神に移籍して03、05年のリーグ優勝の中心メンバーとなったように、糸井にも「タイガースを変える」存在になってほしいと願っている。

 「(金本監督に)熱い言葉をもらった。凄くうれしい」。初交渉を終えて話した糸井は「自分の野球人生。しっかりと考えて答えを出したい」との意向を示していた。今季は全143試合に出場してリーグ4位の打率・306。53盗塁で14年首位打者に次ぐ自身2個目のタイトルを獲得し、2年ぶりのゴールデングラブ賞も手にした。7日にFA申請書類を提出した際には、決断の要素の一つに「成長できると思ったところ(に行きたい)」と話していた。完全復活を印象付け、新天地を求める思いに傾いても不思議はない。

 糸井は21日の午前中にオリックス、阪神の両球団に連絡を入れ、正式に「阪神移籍」を表明する。本拠地である広い甲子園を縦横無尽に駆け回る超人。そんな姿がいよいよ現実になる。

 ◆糸井 嘉男(いとい・よしお)1981年(昭56)7月31日、京都府生まれの35歳。宮津では甲子園出場なし。近大に進み、4年春に5勝を挙げてMVP。03年ドラフト自由獲得枠で投手として日本ハム入団。06年途中に外野手に転向して、09年から6年連続で打率3割をマークした。13年にトレードでオリックスに移籍し、14年に首位打者。ベストナイン4度、ゴールデングラブ賞を7度受賞。1メートル87、88キロ。右投げ左打ち。

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