敵にも味方にも“清宮効果” ライバル意識で周囲もレベルアップ

[ 2016年11月21日 11:30 ]

明治神宮大会高校の部決勝の履正社戦の1回2死、先制ソロを放った早実・清宮(右)は次打者・野村とハイタッチでホームイン
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 今年のドラフトでは創価大・田中正義投手に5球団が1位指名で競合した。外れ1位でも桜美林大・佐々木千隼投手に5球団が重複するなど、即戦力投手が目立った年だった。

 2017年のドラフトの一番の目玉は、早実・清宮幸太郎内野手だろう。1年時から積み上げた本塁打数は2年秋までに78本まで増えた。これだけ注目を集める高校生は、PL学園の桑田真澄、清原和博のKKコンビや星稜・松井秀喜と比較しても遜色ないと感じる。

 清宮の存在は、周囲の選手たちのレベルアップにつながっている。秋季東京都大会決勝では日大三の左腕・桜井周斗投手が得意のスライダーで5打席連続三振を奪った。小倉全由(まさよし)監督が「清宮君に対しては完璧だった」と話したように、清宮を意識する投手は多い。

 明治神宮大会決勝で対戦した履正社のエース・竹田祐投手は、早実戦で自己最速を2キロ更新する145キロを計測した。清宮とは3度対戦し、四球、死球、捕飛。「(清宮は)どこに投げても打たれそうだったが、インコースで攻めていこうと思った」と、直球主体で挑んだ。ヤクルトからドラフト1位指名された寺島成輝投手からエースナンバーを受け継いだ右腕。寺島からは「マウンドでの姿勢だったり、強気に堂々と投げるところ」を見て学び、神宮大会初優勝につなげた。

 そして、清宮の存在を最も身近で感じているのが、早実の4番・野村大樹内野手だ。清宮の後ろの4番に座り、この秋は清宮が1年秋までに放った22本塁打を上回る23号をマーク。「清宮さんからは“超えたな~”と言われました。清宮さんが塁にいると、絶対に還そうと気合が入りますね」と背中を追っている。

 ライバルにも、早実のチームメートにも相乗効果がある。早実の来春センバツ出場は確実。「打倒・清宮」で盛り上がる大会となりそうだ。(記者コラム・川島 毅洋)

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2016年11月21日のニュース