WBC韓国代表、異例の早期発表のワケ…メジャー組ズラリ、侍Jに脅威

[ 2016年11月20日 09:00 ]

レンジャーズの秋信守外野手(AP)

 韓国野球委員会(KBO)は10日に、来年3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する代表28選手を発表した。最終登録は来年2月6日とされており、各チームが選手選考を進めているこの時期。異例とも言える早期メンバー発表だった。

 しかも豪華さが目を引いた。現役大リーガーの姜正浩(カン・ジョンホ)遊撃手(パイレーツ)、秋信守(チュ・シンス)外野手(レンジャーズ)、金賢洙(キム・ヒョンス)外野手(オリオールズ)に、マリナーズからFAとなった李大浩(イ・デホ)一塁手が堂々と名を連ねた。

 また、長年国際試合で日本を苦しめてきた左腕の金広鉉(キム・グァンヒョン)投手(SK)、車雨燦(チャ・ウチャン)投手(サムスン)、梁ヒョンジョン投手(KIA)、禹ギュミン投手(LG)、崔炯宇(チェ・ヒョンウ)外野手(サムスン)も代表入り。この5人は海外FA権を手にしており、今オフにもメジャー移籍を決断する可能性があるという。

 他に日本球界で活躍した李大恩(イ・デウン)投手(元ロッテ)、林昌勇(イム・チャンヨン)投手(元ヤクルト)、金泰均(キム・テギュン)一塁手(元ロッテ)一塁手らの名前も。

 国内リーグで出場停止処分を受けた林昌勇とは違い、賭博問題の“みそぎ”がまだすんでいない呉昇桓(オ・スンファン)投手(カージナルス)、左肩痛の柳賢振(リュ・ヒョンジン)投手(ドジャース)、右手首手術の朴炳鎬(パク・ビョンホ)外野手(ツインズ)らを除けば、ほぼベストメンバーに近い面子を集めてきた。

 FA移籍する可能性を残す選手が多くおり、辞退者が出るなど最終的なメンバーは流動的な面も残す。協会としては28人を早めに発表したが、最終登録メンバーの変更は2月6日までは認められるわけだ。逆に言えば、先に招集できる範囲内でのベストメンバーを指名し、各選手たちのメッセージとし、自覚をうながすというところだろう。

 第1、2回大会でも指揮を執り、昨年のプレミア12では優勝に導いた金寅植(キム・インシク)監督は「構成としては右腕が少し物足りない。不祥事などが起き、呼ぶことができなかった」と韓国メディアに呉昇桓を呼べなかったことを残念がったというが、仮にこのメンバーが全員残れば脅威以外の何ものでもない。

 来年3月の大会では、順当に勝ち進めば侍ジャパンとは2次ラウンド(12~16日・東京ドーム)で激突する。過去のWBCでの直接対決は4勝4敗の五分で、昨年のプレミア12では準決勝で逆転負けを喫した宿敵。13年の第3回大会では韓国が1次ラウンドで敗退したため見られなかった日韓戦。世界一奪回へ、やはり避けて通れない最大のライバルは、隣国・韓国となりそうだ。(記者コラム・後藤 茂樹)

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2016年11月20日のニュース