ヤクドラ2明大・星“二刀流”主役!中日ドラ1柳と日本一の友情

[ 2016年11月17日 05:30 ]

第47回明治神宮大会最終日・大学の部決勝 ( 2016年11月16日    神宮 )

<桜美林大・明大>優勝にうれし泣きの明大・柳(右)と星は抱き合って喜ぶ

 大学の部の決勝が行われ、明大が桜美林大を5―2で破り、5年ぶりの優勝を決めた。6度目の制覇は単独最多。ヤクルトにドラフト2位指名された2番手の星知弥投手(4年)が5回を2安打無失点。中日から1位指名され、4回2失点だった先発の柳裕也投手(4年)を救援し、自らソロ本塁打も放った。桜美林大は、ロッテに1位指名された先発の佐々木千隼投手(4年)が5回4失点で初優勝を逃した。

 最後に選んだのは最も自信のある直球だった。星は最後の打者を149キロで空振り三振に仕留めると、ガッツポーズを決めた。マウンド上で広がる歓喜の輪。整列後、柳と抱き合った。2人とも涙が止まらなかった。

 星 「(柳には)“4年間ありがとう”と。柳がいたからこそ、成長できた」

 柳 「星に助けてもらった。自分と星で最後の試合に投げて勝ててよかった」

 決勝は柳と佐々木千の「ドラフト1位対決」で始まった。しかし、一躍主役に躍り出たのは「ドラフト2位」の星だった。3連投の柳が4回2失点で降板し、2点を追う5回から救援した。「状態が良くない中で頑張っていた。柳を日本一にしたかった」。その裏に打線が佐々木千を攻略し、4点を奪って逆転に成功。逃げ切ってみせる。力で押した。最速は152キロ。今夏に本格習得したツーシームもさえた。2点リードの8回には左越えに「人生初」というソロを放った。準決勝の柳に続く一発に「この1点で楽になった」。自らを助け、5回を2安打無失点。今大会3試合で計9回1/3を無失点に抑え、全国制覇に導いた。

 最速156キロ右腕。宇都宮工時代から150キロを超え、プロからも注目されていた。だが、制球に難があり、甲子園とは無縁。抜群の制球力を誇り、名門・横浜で3度甲子園出場の実績を引っ提げて入学した柳に対し、「絶対に負けたくない」とライバル視してきた。

 リーグ戦デビューはともに1年春。柳より1週間早かったが、課題の制球力や股関節の故障もあって勝てなかった。それでも、地道に下半身主導のフォームをつくり上げ、制球力を身に付けた。今春にリーグ戦初勝利。主将も務める柳は「星は練習の虫。誰よりもやっていた」と振り返る。

 来年から同じセ・リーグで戦う。「プロの世界でも切磋琢磨(せっさたくま)したい」と星。2人はプロの舞台で投げ合うことを誓い合い、思い出の詰まった神宮を後にした。 (松井 いつき)

 ▼明大・佐野恵(DeNAドラフト9位。初回に佐々木千から右前打)人生で初の日本一。こんなに良いチームでやれないのは寂しいけれど、切り替えてレベルアップしたい。

 ▼阪神・高山(明大OB。1学年下のナインが優勝し)うれしいですね。僕たちのチームではできなかったことなので。凄い後輩です。

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