巨人・杉内 復活へ新球シュート投げた 尾花コーチ「投球の幅広がる」

[ 2016年11月14日 06:10 ]

投球練習を行う巨人・杉内。後方からは高橋監督が熱視線を送る

 来季、完全復活を期す巨人・杉内の口から意外な言葉が飛び出した。「シュートいきます」。宮崎秋季キャンプでの投球練習。プロ15年目の36歳が、「新球」を2球連続で投げ込んだ。「遊びだよ。昨日(ブルペンで投げようと)思いついた」と一度はおどけたが、表情を変え「いずれ(試合で)投げられればね」と一点を見つめた。

 背水の覚悟で来季に挑む。昨年10月に右股関節手術を受け、今季登板はファームのみ。術後は常々「以前と同じことを求めても、全てはできない」と自覚してきた。再起を懸け、試したのが新球だった。

 利き腕である左方向に鋭く曲がる。直球とほぼ同じ球速で、打者にとっては手元で伸びる感覚だ。左打者の懐に食い込み、マスターすれば外に逃げるスライダーがより生きる。右打者には手元でわずかに逃げる軌道で、芯を外すことができる。手術後は「直球に勢いがない」と感じ続けている左腕にとって、復活への鍵になる球種だ。見守った尾花投手コーチは「ずっと温めておいたんだよ。強くて、いい球だった。投球の幅が広がる」と可能性を口にした。

 ソフトバンク時代の10年以来6年ぶりに参加した秋季キャンプ。当初予定していた投球練習は計3度だった。6日に軟らかくて股関節に優しい土で65球を投げると、通常のマウンドに戻して3度の投球練習。この日の75球を含めて4度ブルペン入りし、計282球を投げ込んでいる。高橋監督も「ブルペンに入る回数も多いし、こっち(宮崎)に来て投げられて良かった」とうなずいた。

 ソフトバンク時代に投じていた縦に大きく変化するスライダーも試し「前回に比べると良くなっている」。通算142勝腕左腕は、新たな生きる道を模索している。 (神田 佑)

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