WBC米代表に20勝投手シャーザー、見てみたい侍ジャパンとの対決

[ 2016年11月10日 11:20 ]

ナショナルズのシャーザー(AP)

 来年3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の米国代表として、ナショナルズのマックス・シャーザー投手(32)が出場する。本人が希望し、球団のマイク・リゾGMも「米国は優勝しなければいけない」と容認した。説明するまでもなく、今季20勝を挙げたメジャーを代表する投手で、2度目のサイ・ヤング賞が有力視される。

 過去3大会の米国代表を振り返っても、投手では一番の大物だろう。06年の第1回大会はクレメンスが出場したが、これは「記念参加」のようなもの。前回13年の第3回大会は、前年サイ・ヤング賞のナックルボーラー、ディッキーと、前年最多勝の左腕ゴンザレスがいたが、打者をドミネートする投球という点では、昨季はノーヒットノーラン2度、今季は1試合20奪三振の大リーグタイ記録もマークしたシャーザーにはかなわない。

 シャーザーが米国代表として戦うのは、ミズーリ大時代の05年以来。実はこの年は日米大学野球に出場するために来日している。東京ドームでの第3戦に先発し、初回に武内(現ヤクルト)に2ランを浴びるなど7回を10安打4失点で敗戦投手。ちなみに、この大会で米国は初戦から3連敗(最終成績は1勝3敗)を喫したが、先発はケネディ、プライス、シャーザーで、いずれも後にメジャーで最多勝を獲得している。今思うと、凄い顔ぶれだ。シャーザーはその時の背番号45のユニホームは大切に実家に飾ってあるという。それほど国を代表して戦ったことを誇りに思っている。

 今回、米国のメンバー編成を任されているのは、ジョー・トーリGM。元ヤンキースの名将がどれだけの布陣を揃えられるか。50人の予備登録リストには、アレナド(ロッキーズ)、ブライアント(カブス)、スタントン(マーリンズ)、クルバー(インディアンス)らが含まれているが、野手ではトラウト(エンゼルス)、ハーパー(ナショナルズ)のビッグネーム2人は不参加が濃厚だ。ただ、今大会はラウンドごとの追加登録が認められており、ロサンゼルスで行われる準決勝、決勝ではカーショー(ドジャース)の出場も噂されている。

 前回は2次ラウンドで敗退し、第1回大会に続き4強に進めなかった米国。順当に1、2次ラウンドを勝ち上がれば、一発勝負の試合でシャーザーが使えるのは強みだ。「MAX」とはいかないまでも、本気のシャーザーと侍ジャパンとの対戦は見てみたい。(記者コラム・甘利 陽一)

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2016年11月10日のニュース