金本阪神 異例の“半ドン”「気分転換と体のリフレッシュ」

[ 2016年11月9日 10:20 ]

傘をさして移動する金本監督

 超異例の「半ドン」キャンプだ。阪神は8日、秋季安芸キャンプ第3クール初日の練習を午前中のみで切り上げただけでなく、安芸市営球場での居残りも全面禁止する“ノー残業デー”を実施した。金本知憲監督(48)は「気分転換と体のリフレッシュ」と意図を説明。日々、ハードな練習をこなす選手たちにとっては、これ以上ない粋なプレゼントとなった。

 異例の光景だった。「バッティング終了でーす!」。時計の針が正午を回ったころ、打撃回り最終組に入っていた高山の一声が響き渡った。その後ランチを挟み、続々とチーム宿舎へ引き揚げる選手たち。高山の掛け声こそ全体練習終了の合図だった。最後の1人となった原口が球場を後にしたのが午後1時。金本阪神体制で、初めての「半ドン」キャンプ導入となった。

 「かなり(練習で)追い込んでいるから。一度、疲労を取り除いて。筋肉の張りとかを戻して、スイングの疲れもあるだろう。きょうは、ほぼ休みの感覚。気分転換と体のリフレッシュ」

 今キャンプでは練習開始時間を従来より45分早め、全体アップ前に1人400スイングを課すなど、徹底的にしごく強化期間と位置づけられた。そんな中で設けられた「半ドン」の背景は、ひとえに選手たちの頑張りにほかならない。「(選手は)よくやってくれている。それも大きな理由の一つ。ティー打撃もしっかりやってくれている。あまり(手を)抜くこともなくやってくれている」と、午後のウエートトレーニングや夜間練習も一切禁止。投手陣は岩崎以外の全員がノースロー調整となった。

 「このキャンプ中に一度、体を良くして。それで今までやってきたことを出せるかと。バットが振れるようになっているとか、力強くなっているとか。そう(より感じてもらうため)」

 指揮官が明かしたように、目的は休養だけではない。10日の紅白戦をはじめ、残り期間で選手個々に成長を実感してほしい狙いもある。軸回転を意識した新打撃フォームに挑戦中の高山も、「半日練習は(疲労度的に)ありがたい。正直きつくて、いっぱいいっぱい」と感謝。その一方で「人一倍やろうという気持ちでいるし、体も大きくなったかな、と。(完成度は)まだまだ。そのためにも、また練習からしっかりやりたい」と気を引き締めた。

 将の粋な計らいに応えるためにも、選手にはさらなる発奮が求められる。 (久林 幸平)

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2016年11月9日のニュース