黒田 記録で振り返る男気伝説 2桁勝利で優勝→引退は江川以来2人目

[ 2016年11月8日 10:03 ]

広島の黒田

 5日の優勝パレードで最後のユニホーム姿を披露した広島の黒田博樹投手。有終の美を飾ったベテランの活躍を記録で振り返ってみる。(記録課・志賀 喜幸)

 昨季、40歳でヤンキースから広島に戻ると11勝8敗をマークし、今季も10勝8敗。メジャーから国内復帰1、2年目に2桁勝利を挙げるのは史上初と、復帰を待ちわびたファンの期待にきっちりと応えた。規定投球回にも2年連続で到達し、防御率は昨季が2・55、今季が3・09でともに7位。40歳以上で2度の規定投球回到達は、48、49年若林忠志(神)が40、41歳で記録して以来67年ぶり2人目で、2リーグ分立以降では初の快挙になった。

 今季の98奪三振、33四死球は、いずれもセの規定投球回到達投手で2番目の少なさと、打たせて取る持ち味を存分に発揮した。そのスタイルゆえ被安打のリスクは高く、被打率・264を許したが、走者別に分けると無走者の・281が高いだけで、得点圏では・222、満塁では驚異の・000に抑えた。さらに、今季両リーグ規定投球回到達投手の中では千賀(ソ)と2人だけの得点圏ノーアーチも記録。ピンチで動じない投球はさすがだった。

 投球を見ればまだまだ余力は十分。引退は惜しまれるが、セ、パで2桁勝利を挙げた年にユニホームを脱ぐのは83年小林繁(神=13勝)、87年江川卓(巨=13勝)、90年村田兆治(ロ=10勝)に次ぎ4人目のこと。うち、リーグ優勝の置き土産を残したのは江川と黒田だけと、記憶に残る最高の花道を飾った。

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2016年11月8日のニュース