大谷150メートル弾!WBC代打の切り札も任せた

[ 2016年11月7日 05:31 ]

侍ジャパン合宿 ( 2016年11月6日    QVC )

フリー打撃で快音を響かせる大谷

 来年3月に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を控える侍ジャパンが6日、10~13日のメキシコ、オランダとの強化試合(東京ドーム)に備え、QVCマリンで練習を始めた。大谷翔平投手(22=日本ハム)はフリー打撃でスコアボード直撃の打球を披露。小久保裕紀監督(45)は登板予定のないこの強化試合は代打とDHで起用し、「先発の軸」「ここぞの強打」の二刀流を最大限に生かす道を探る。 日程  日本代表メンバー

 金属を叩く激しい音が響いた。大谷がかっ飛ばした打球は見失うほどのスピードで伸びスコアボード右横のスピーカーを直撃した。推定飛距離150メートル。「風ですね」と本人は冷静でも、背番号16の侍ユニホームで示したパフォーマンスは、まさに規格外だった。

 フリー打撃で27スイングして、柵越え7本。右中間最深部の広告看板を直撃する打球もあった。練習で使用したのは通常より飛ばないとされるWBC公式球だったにもかかわらず「重くはない。どちらかというと軽い」と言った。日本ハムでの日本一達成から8日。試合勘を保っているとはいえ、投手との二刀流で今季22本塁打を記録した男の面目躍如だった。

 小久保監督は「日本代表の長距離砲と並んでも遜色ない打球を飛ばしていた。クリーンアップの候補に入ってくる」と目を見張った。これだけ聞くと、WBC本番は日本ハムと同じように、先発の柱として回りながら、登板しない試合はDHで中軸を打つという見方が浮かぶ。だが、指揮官はきっぱりと言った。

 「本番では投手起用をメインに考えることになる。期間中に彼に極力負担がかからない形の起用を考えていかないといけない」。この強化試合4試合も、それに沿ったプランを組むという。「彼をスターティングラインアップに固定するメンバーで考えると来年にはつながらない。全試合(先発で)使うというよりは、代打で回る試合を考えながら…と思っている」。登板がなければベンチで控え、1点勝負の終盤で一発も期待できる「代打の切り札」として登場する。これが、指揮官の構想の軸にある。

 ただ、国際舞台だ。「DH・大谷」の打力に期待せざるを得ない局面も想定する必要はある。小久保監督は筒香を中田とともに4番候補に挙げた上で「筒香の後ろがポイント。しっかり還せる選手でないと、(筒香が)勝負を避けられたりする」と話し、大谷も5番候補か?との問いに「そうですね」と答えた。

 春とともに訪れる本番。大谷は「このためにやっていると言っても過言ではない大会。世界にどれだけ凄い選手がいるのか。自分の見ていない技術があるのかワクワクする」と笑った。この日は志願で投内連係など投手メニューにも参加し「最大限、自分の持ち味を出したい」と言った。世界を驚かせる戦いは、すでに始まっている。(柳原 直之)

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