阪神 糸井獲りへ本社も全面支援!「金庫」開ける

[ 2016年11月5日 05:50 ]

金本監督は安芸キャンプを訪れた坂井オーナー(中央)、四藤社長(左)と談笑する

 FA(フリーエージェント)宣言を決断したオリックス・糸井嘉男外野手(35)の獲得に向け、阪神電鉄本社も条件面で全面バックアップする方針を固めたことが4日、分かった。この日は坂井信也オーナー(68=電鉄本社会長)が高知・安芸の秋季キャンプを視察し、夜には金本知憲監督(48)、四藤慶一郎球団社長(56)らとトップ会食を開催。糸井獲りに三位一体で取り組む方針を、改めて再確認したもようだ。

 どうしても必要な補強とあれば、「誠意」を惜しむつもりはない。糸井獲得を熱望する球団側の意向を受け、親会社である電鉄本社も「金庫」を開ける方針を固めた。

 糸井残留を願うオリックスは、4年総額18億円もの高条件を用意してきた。それにムキになって対抗するわけではない。世の中に流通する商品に適正価格があるように、プロ野球界にも「相場」がある。それを無視すれば、最悪のマネーゲームに足を踏み入れることになる。無茶な条件の釣り上げはしない。その原理を踏まえた上で最大限の条件を出せるように…。電鉄本社幹部が、補強資金について口を開いた。

 「もちろん糸目を付けずに、ということはないでしょう。ただどうしてもタイガースに必要な選手で、その金額にふさわしい選手であれば、(補強資金を)制限することもないと思います」

 キーワードは「必要」と「ふさわしい」。その二つを満たす選手であれば条件制限という足かせは撤廃する。いわゆる全面バックアップ態勢を敷くというわけだ。球団が思い切った交渉を展開できるように、強く背中を押した格好だ。

 くしくもこの日は電鉄本社トップの坂井オーナーがキャンプ視察に訪れた。参加している全首脳陣、選手、スタッフを安芸市営球場の三塁側ベンチ前に集め、「来年のキャンプでは一回り大きくなった姿の皆さんと会えるよう、頑張ってください。是非とも来年は、今シーズン(の反省)を踏まえて、こうやって皆さんと会う時は笑顔で喜んで会いましょう。頑張ってください」と訓示。その言葉を実現するためにも補強は必要で、それは球団総帥にも痛いほど伝わっているはずだ。

 練習後にはチーム宿舎で坂井オーナー、金本監督、四藤球団社長らが会食の席に着いた。指揮官は「それ(会食での話し合い)は今からするでしょう。内緒だけどね」とはぐらかし、球団総帥も「みんなと食事をするだけ。皆さんの思っているような話はしません。慰労の意味で食事をするだけ」と話すにとどめた。

 とはいえ、その席上で糸井獲りに関する話が出たことは確実で、改めて電鉄本社、現場、球団フロントが「三位一体」で獲得に動く方針を再確認したもよう。すでに3年契約以上で高額インセンティブを含む大型オファー提示と、状況に応じた指揮官の直接出馬の方針を固めているが、そこに電鉄本社の「全面バックアップ」も加わった。交渉解禁次第、総力を挙げて恋人を口説き落とす。

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2016年11月5日のニュース