緒方監督 打順改革!自慢の「タナキクマル」も解体!?

[ 2016年11月5日 06:35 ]

奉告会前に、松田オーナー(左)と話す緒方監督

 タナキクマルが解体される!? マツダスタジアムで秋季練習を開始した広島・緒方孝市監督(47)は、来季に向けて「打順を同じ形で戦おうとは思っていない」と注目発言。今季不動だった「1番・田中、2番・菊池、3番・丸」にも固執しない考えを示した。33年ぶりとなる来季の日本一は、新オーダーでつかみとっているかもしれない。

 日本一まで「あと2勝」届かなかった要因は何だったのか。反省、分析を繰り返した緒方監督はあらゆる可能性を探り、タナキクマルにも、現状がベストなのかを自問自答していた。

 「メンバーが大きく変わらなくても、競争の中で新しい形をつくっていく。メンバーも打順も同じ形で戦おうとは思っていない」

 菊池が欠場した2試合を除く141試合で固定した1、2、3番は誰もが出塁率が高く、走者となればスピードを併せ持つ。しかも二遊間+中堅と守りでもセンターラインを強固とし、いわば25年ぶりリーグ優勝の象徴でもあった。それでもまだ、緒方監督は発展形があるのではないかと模索するという。

 並びを替えるのか? ちなみに15年は田中は7番で61試合、菊池は1番で20試合、丸は1番で63試合と2番で18試合に出場している。もしくは違う名前を組み込むのか…。その場合は無限の伸びしろを示す誠也の打順が気になり、大シャッフルに広がり、いずれにしても選択肢は少なくなく、「もとさや」も含めて指揮官の青写真も明るい。

 それだけにとどまらない。「野手では、複数ポジションにチャレンジしてもらうメンバーもいる」。10月のフェニックス・リーグでは、三塁手を本職とする堂林に3試合で左翼手を務めさせた。松山、下水流らが守ることが多く、一塁と兼ねるエルドレッドも控える激戦区。2017年は「左翼」のレギュラー争いが熱くなりそうだ。

 「野手は新しい戦力が入るわけではないので、いかに個々の実力を上げて、チーム力を上げられるか」

 ドラフトで指名した野手は、4位の坂倉(日大三)1人。FA戦線にも加わらない方針で、新外国人もトレード補強も現時点で決まっているものはない。しかし現有戦力の底上げと、新オーダーなどやり繰りでカバーできると計算する。

 「優勝旅行もあってオフは短くなる。難しいオフになるとは思うけど、責任を持ってやってほしい」。Vメンバーに自覚をうながして緒方監督がどんな結論を出すのか、ファンも今から楽しみでしかない。(柳澤 元紀)

続きを表示

2016年11月5日のニュース