大のカブスファンだったのに…イ軍キプニス 68年ぶり世界一王手弾

[ 2016年10月31日 05:30 ]

ワールドシリーズ第4戦 ( 2016年10月29日    シカゴ )

<インディアンス・カブス>7回、3ランを放ったキプニス(右)はナインに祝福される(AP)
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 インディアンスが1948年以来、68年ぶりのワールドチャンピオンへ王手をかけた。第4戦が29日(日本時間30日)に行われ、カブスを7―2で下して3勝1敗とした。敵地シカゴ出身の2番・ジェーソン・キプニス内野手(29)が3ラン含む3安打と活躍し、快勝に大きく貢献した。

 大のカブスファンだったキプニスが熱狂のスタンドを沈黙させた。4―1の7回無死一、三塁。左腕ウッドの速球を右翼席へ叩き込んだ。王手を決定づける3ラン。バックネット裏の家族を指さし、本塁を踏んだ。

 「今の気持ちは言葉にできない。スタンドからの家族や友人の応援が力になった」。3回先頭では二塁打で出塁し3点目の生還を果たし、9回の左前打も含めて3安打。出身地のシカゴで輝いた。リグリー・フィールドから20マイル(約32キロ)の高校に通い、少年時代からのファンで「カブスは自分の一部」だった。

 ア・リーグ優勝決定シリーズでは、優勝直後の歓喜の輪の中で左足首を捻挫した。幸い軽傷で第1戦から出場を続け、故郷に錦を飾った。練習日だった27日には両親と食事し「特別なことなんだから、感謝して楽しめ」と励まされたという。

 1948年以来68年ぶりの頂点まであと1勝。「何も変えない。いつも通り戦う。唯一違うのは、試合後の移動用に荷物をまとめることだけだ」と冗談を交えたテリー・フランコナ監督の表情には余裕と自信が漂った。(シカゴ・奥田 秀樹通信員)

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