侍ジャパンが不在の城を護る「留守居侍」を勝手に選出してみた

[ 2016年10月29日 08:55 ]

ロッテ・田村、6月には月間MVPに輝いた
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 【君島圭介のスポーツと人間】11月の強化試合に臨む侍ジャパン出場選手が発表された。多少の入れ替えはあるだろうが、第4回WBCの主体になる顔ぶれだ。世界に挑む侍たち。だが、城の留守を守る侍も必要だ。そこで「留守居侍」ジャパンを選出してみた。

 まず捕手から。これは幸運だった。ロッテの田村がいる。扇の要は今季12球団の捕手で最多130試合出場の若き強肩で決まり。堅実なDeNA・戸柱が控えなら2人で十分だが、万が一の備えに今季打率・299、11本塁打の阪神・原口を第3捕手&代打要員として選出した。

 一塁は星野仙一が打撃の才能を認めた楽天・銀次。外野も守れるソフトバンク・中村も選んだ。

 二塁は西武・浅村、三塁はヤクルトの安打製造機、川端で決まり。

 遊撃はどの球団も「いない」と嘆いていたが、ここ数年で見事に育った。広島・田中は当確。もう1人はロッテ・鈴木、楽天・茂木と迷った末に芸達者なオリックス・安達を選んだ。

 内野のバックアップは二塁、遊撃をどちらも守れ、外野もこなし、代走としても高い戦力になるソフトバンク・川島でいける。

 外野はパ・リーグ首位打者のロッテ・角中はすんなり決定。反骨の男、ヤクルト・坂口の精神力も買いたい。広島・丸は当然選ぶ。もう1人は沢村賞に輝いた広島・ジョンソンとの対戦打率・462、阪神・メッセンジャーにも・333と外国人投手にめっぽう強い巨人・長野を選んだ。

 先発投手陣は、3年連続最多奪三振の楽天・則本、ロッテ・涌井、オリックス・西、阪神・岩貞、そして西武・多和田で形成したい。多和田はパ本塁打王の日本ハム・レアードを6打数1安打、ロッテ・デスパイネを2打数無安打と抑えている。独特の腕の振りから急落するスライダーは外国人相手に強力な武器になる。

 球数制限があるので中継ぎは厚めがいい。ブルペンは試合から隔離された特殊な空間だ。あ・うんの呼吸とチームワークが重要。DeNAから三上、田中、須田の3人をセットで選んだ。広島・今村、巨人・山口、中日・又吉は順当。40~50球のロングリリーフが可能な小石、先発もできる牧田の西武コンビは欠かせない。最後の1人は創価大・田中を抜てきした。継投は順番を決めたくないので、いわゆる守護神は選ばなかった。

 引退を表明した広島・黒田、シーズン終盤に負傷したソフトバンク・和田、DeNA・梶谷、今季FA条件を満たしたばかりの西武・岸らは涙を飲んで除外した。もちろん侍ジャパンの現メンバーも選んでいない。それでこの布陣。100人100通りの意見はあるだろうが、それも日本球界の人材が豊富な証だ。(専門委員、敬称略)

 ◆君島 圭介(きみしま・けいすけ)1968年6月29日、福島県生まれ。東京五輪男子マラソン銅メダリストの円谷幸吉は高校の大先輩。学生時代からスポーツ紙で原稿運びのアルバイトを始め、スポーツ報道との関わりは四半世紀を超える。現在はプロ野球遊軍記者。サッカー、ボクシング、マリンスポーツなど広い取材経験が宝。

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