新井、初スタメンに闘志 有終黒田の援護射撃誓う

[ 2016年10月25日 05:45 ]

ファンに囲まれ広島から札幌に移動する新井
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 広島・新井貴浩内野手(39)が24日、札幌ドームに舞台を移して行われる、25日の日本シリーズ第3戦に向け、静かに闘志を燃やした。敵地ではDH(指名打者)制が採用され、初の先発出場が濃厚。本拠地で2連勝し、一気に王手をかけたいところだが「関係ない。明日の試合に全力を尽くすだけ」とキッパリだ。先発は、今季限りでの現役引退を表明した黒田。援護射撃を誓っている。

 本拠地での第1、2戦で日本ハムに連勝し、北の大地へと飛び立つ広島空港。球団が用意したチャーター機搭乗直前のロビーで、新井は取材に応じ、チームメートの戦いぶりを称賛してみせた。

 「スゴくいい戦い…と言うか、普段通りのカープらしい野球ができていると思う。ベンチも盛り上がっているしね」

 第1戦は下馬評を覆して球界最速投手の大谷を攻略し、前日23日の第2戦も機動力や小技を絡めた“神ってる”攻撃がさく裂した。ただ、自身の出場は四球を選んだ初戦の代打のみ。それでも消化不良気味な思いを封印し、毅然(きぜん)とこう言い切るあたりが新井らしい。

 「自分は“行け”と言われた時に向け、しっかり準備するだけなんで」

 25日からは、DH制が採用される敵地での3連戦。ベテランの出番は大いにありそうだ。札幌ドームでは過去にも快音を響かせている。出場32試合で、110打数32安打、3本塁打、14打点、打率・291をマーク。「そうなの? 全然わからない」と言うが、今年の交流戦でも2試合8打席で、3安打1四球と結果を残した。

 相手の先発は有原だ。6月7日、旭川で対戦した際には2打数無安打、1四球に終わっており、「スゴくいい投手。力強い球を投げるし、カットボールもいい」と警戒、「しっかり準備して臨みたい」と続けた。既に2勝。緩めず一気にスイープといきたいが、そんな野心はさらさらない。

 「変なことは一切考えないし、2勝なんて関係ない。シーズン同様に1戦1戦。明日の試合に全力を尽くす。それだけ」

 ナイン共通の思い。ただし、勝ちたい、打ちたい理由はある。今季限りでの現役引退を表明した黒田が先発する第3戦。今後の展開によっては、最後の登板となる可能性もあるだけに、有終の美を飾る援護射撃を誓う。

 「一緒に戦える試合も残りわずか。しっかりと(黒田の勇姿を)目に焼き付け、心に刻みたい」

 目指すは、32年ぶりの日本一に王手をかける3連勝。満を持して先発参戦する新井の、去りゆく大投手に贈る魂の一撃に期待だ。(江尾 卓也)

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2016年10月25日のニュース