大学No.1右腕を黒田の後釜に!緒方監督が正義引き当てる!

[ 2016年10月20日 05:34 ]

スカウト会議を終え引き上げる広島・緒方監督
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 万難を排して大学No・1右腕獲りだ。広島は19日、都内のホテルで最終のスカウト会議を開き、創価大の田中正義投手(22)の1位指名を決めた。言わずと知れた今ドラフトの超目玉。現状7球団の競合が予想されるが、当たりクジの引き当て役は“神ってる”緒方監督が担う。大黒柱の黒田が現役引退を表明しており、田中獲得となれば、その後釜として期待大だ。

 20日のドラフトに備えて開いた最終のスカウト会議。約90分間の話し合いを終えた松田元(はじめ)オーナーは1位指名選手について「一番いい選手で行く。田中で行くよ。競合は覚悟(の上)」と明言。直前での公表には「公表することで(競合する)他球団が引いてくれたら」とけん制した。

 今さら説明するまでもない、最速156キロを誇る超目玉。注目度が一気に増したのは昨年6月、ユニバーシアード大学日本代表の一員として、NPB選抜と行った壮行試合(神宮)だ。若手中心ながら7者連続を含む8奪三振。4回を完全に抑え、12球団競合を予想する声も上がった。

 今春は右肩の違和感を訴えて状態が上がらず、評価が定まらなかったものの、秋には剛腕が復活した。9月10日、東京新大学秋季リーグ戦の高千穂大戦で最速153キロを計測。その後は同155キロをマークするまでに復調した。苑田スカウト統括部長はぞっこんだ。

 「去年6月だったら15勝は間違いない。大学生の高いレベルの中でも抜けている。復活したし、変化球や制球もいい」

 既にロッテ、巨人が1位指名を公表。最終的には7球団の競合が予想される。それでも「150キロ台を投げるだけじゃなく、140キロ台の直球があれだけ伸びるのは珍しい」(松田オーナー)というほどの逸材なら、リスク承知で獲得に名乗りを上げる価値はある。

 入札抽選に挑むのは緒方監督だ。この日は口を開かなかったが、日本シリーズ終了後には黒田が現役を引退するだけに、現場としては先発タイプの即戦力投手が欲しいところ。“神ってる”パワーで田中の当たりクジを引き当てることができれば、投手王国にも通ずる補強となりそうだ。

 1位指名を事前公表するのは、14年の有原(日本ハム)以来。仮に抽選に外れた場合でも、高校生を含めたリストの中から、即戦力投手を指名する方針だ。2020年の東京五輪、侍ジャパンのエース候補と目される剛腕を獲得できるか。20日午後5時からの、運命のドラフトに注目だ。(江尾 卓也)

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