広島・野村 バッテリー賞初受賞 “その日のベストを”黒田の教え胸に飛躍

[ 2016年10月19日 06:20 ]

スポーツニッポン新聞社制定「2016年度プロ野球最優秀バッテリー賞」

16勝を挙げセ最優秀バッテリーに選出された野村(右)と石原
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 スポーツニッポン新聞社が制定する「2016年度プロ野球最優秀バッテリー賞」の選考委員会が18日、都内で開かれた。セ・リーグは広島の野村祐輔投手(27)―石原慶幸捕手(37)、パ・リーグはロッテの石川歩投手(28)―田村龍弘捕手(22)に決定。石原は3年ぶり3度目、他は初受賞となった。今季最多勝と最高勝率の2冠に輝いた野村は、現役引退を決めた黒田博樹投手(41)を日本一となって胴上げすることを誓った。表彰式は12月に予定され、各選手には賞金100万円が贈られる。 歴代バッテリー賞受賞者

 日本シリーズを4日後に控えた中での朗報。最多勝、最高勝率のタイトルに続く栄誉に野村は「うれしいです」と、とびきりの笑顔を見せた。

 一人の力では決してなしえないのがバッテリー賞だ。野村は、女房役で37歳のベテラン・石原への感謝を忘れなかった。「本当に自分の持ち味を引き出してくれる。ほとんど石原さんのサインに首を振らずに投げた。信頼しています」。結果、今季は16勝&勝率・842でリーグ2冠。チームの貯金37のうち、3分の1以上である13を一人で稼いで25年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。

 もう一人のベテランにも恩返しをしなければいけない。現役引退を発表した黒田だ。14歳年上の41歳に「黒田さんには、凄くたくさんのことを学ばせていただいた」と感謝する。一緒にプレーしたのは2年間。昨季はカーブの投げ方を聞かれたこともある。年齢に関係なく、貪欲に吸収しようとする姿勢に驚かされ、刺激を受けてきた。

 常に心に刻んでいる言葉がある。「いつも自分の持っている100%を出せるわけではない。その日の状態の中でのベストを尽くせ」――。黒田に教わった、試合に臨む際の心構えだ。「凄く気持ちが楽になった。それが(好成績の)大きな要因。メンタル面とか、ここまで成長できたのも黒田さんのおかげです」。技術面でも黒田を参考にした。今季はプレートの踏む位置を三塁側から一塁側に変更。右打者への内角シュートがより生きるようになった。

 マツダスタジアムでの練習で、キャッチボールなどで調整した野村は誓った。「日本一になって、黒田さんを胴上げできたら、と思います」。感謝の思いと黒田の言葉を胸に、若き右腕は最後の最後までベストを尽くす。

 ▽最優秀バッテリー賞 投手だけでなく、捕手にもスポットを当てて球界最高の「バッテリー」を表彰するもの。第1回は91年で、今年で26回目。1年間を通じて活躍したことを最低条件に、投手は先発なら10勝、救援は30セーブ、または30ホールドを目安とする。捕手はインサイドワークや盗塁阻止率、捕逸の少なさなどを基準に選考される。張本勲氏と有藤通世氏は第1回から選考委員を務める。

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