黒田 引退にカープ女子「一番綺麗なタイミング 日本一で有終の美を」

[ 2016年10月18日 21:29 ]

 広島・黒田博樹投手(41)の引退発表を受け、本拠地・広島市では、長年の献身を労う声が続々と上がった。

 広島駅からマツダスタジアムに向かう道沿いにあるお好み焼き店「弘法市スタジアム広島」(南区)ではさっそく、店頭に「黒田選手お疲れ様でした」の張り紙。来店した“カープ女子”の保育士・岡田一絵さん(26)は「広島を本当に愛していた選手の引退は寂しい」と惜しんだが、「一番綺麗なタイミングでの引退。日本一で有終の美を」とエールを送った。

 生まれも育ちも広島で、幼いころから鯉党の同店代表・越田城全さん(41)は「今季後半はキツそうだったから仕方ない」と気遣った。大リーグからカムバックした昨年、「黒田さん、ありがとう。おかえりなさい」のメッセージを貼り出すと全国ネットのテレビで放送され、店は一気に“カープファンが集う店”として有名に。売り上げは2年で5倍増となり、「黒田さんには野球でも楽しませてもらい、商売でも恩人」と感謝した。

 越田さんは黒田より誕生日が2日早い同い年で、「黒田さんの活躍に、俺も大きい舞台で勝負せんと、と思わされる」。6年前に開店した場所は、改装工事で一時退去。今は近くの仮設店で営業し、後に元の場所に戻ると家賃は跳ね上がるが、「黒田さんのお陰で軌道に乗ってきたし、来年は元の場所で勝負します!」と力を込めた。

 同店にはホークスのユニホームを着た男性の姿も。福岡から出張中の会社員・益田大輔さん(44)は「この格好でも温かく迎えてくれる」という同店の度量の大きさを気に入り、広島に来るたびに訪れる。黒田についても「ホークスファンからしても大きい存在の人。後輩の手本になる姿は素晴らしい」と賞賛。引退後は、「WBCの日本代表コーチや監督に」と期待した。

 カープのマークなどが入ったベビー服などを製造・販売している「フロンティアスピリッツ」(南区)の代表取締役・加藤勝義さんも物心ついた頃からのカープファン。「日米の野球を見た経験を生かして監督で戻って来て」とラブコールを送った。

 元広島選手で、やきとり処「カープ鳥おさない」(西区)の店長・長内孝さん(59)は「カープに十二分の貢献をしてくれた。悲願の優勝は素晴らしい花道になった」と賛辞を送った。「体もボロボロだと聞いていた。ご苦労さま、本当にお疲れ様でした」と労った。

 同じく元カープ選手で、鉄板焼き「ハラヤ」(中区)の店主・原伸次さん(53)は、「メジャーに行って、ファンの気持ちを受けて帰ってきたのは凄い事。“男気”、それに尽きる」と語り、「店でも黒田投手には、他の選手とは違う意味での応援があったと思う」と、来店客にとって特別な存在だったことを代弁していた。 

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2016年10月18日のニュース