ド軍カーショー 10日で4勝貢献302球 指揮官「地上最強の投手」

[ 2016年10月18日 05:30 ]

ナ・リーグ優勝決定シリーズ第2戦 ( 2016年10月16日    シカゴ )

<カブス・ドジャース>中2日ながら7回2安打無失点で勝利に導いたカーショー(AP)
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 ナ・リーグの優勝決定シリーズ第2戦が16日(日本時間17日)に行われ、ドジャースのクレイトン・カーショー投手(28)が7回2安打無失点と好投し、カブスに1―0で勝利。対戦成績を1勝1敗のタイとした。13日の地区シリーズ・ナショナルズ戦での救援登板から今度は中2日で強行先発。この10日間で4試合に登板している絶対エースが大車輪の活躍を見せている。第3戦は18日(同19日)に舞台をド軍の本拠地ロサンゼルスに移して行われる。

 エースの目力が、指揮官の決断を変えさせた。1―0の7回2死一塁。今ポストシーズン打率・391と絶好調のバエスを打席に迎えた。先頭にストレートの四球を与えるなど、中2日登板の疲れが見え始めた左腕の交代を決めてデーブ・ロバーツ監督がベンチを出た。だが、カーショーは「この打者は打ち取ってみせるから」と続投を直訴。指揮官も「彼の目を見て、言葉を聞いて、それで十分だった」と納得し、ベンチに下がった。

 仕切り直し。1ボールからの外角高めの直球を完璧に捉えられ、中堅方向へ大飛球が飛んだ。エースは両手を膝について祈った。だが、打球はフェンス手前で失速して中堅ピダーソンが捕球。「やられたかと思った」と安どの表情を浮かべた。8回から守護神ジャンセンにバトンを渡し、1―0の投手戦を制した。

 28歳にしてサイ・ヤング賞3度、MVP1度を誇る現役最強左腕で、日本ハム・大谷も「好きな投手」と憧れる。だが、ポストシーズンでは過去13試合で2勝6敗、防御率4・60と「大舞台に弱い」レッテルを貼られていた。それが、今季は地区シリーズで中3日で負けたら終わりの第4戦に先発し、第5戦は中1日で救援。そして再び中2日で先発し、前田で初戦を落としたチームに流れを引き戻した。10日間で4試合に登板し、計302球の熱投。ロバーツ監督は「地上最強の投手だ」と大絶賛した。
 世界一に輝いた88年以来28年ぶりのワールドシリーズ進出へ、カーショーの左肩にかかる期待は大きい。残り試合もフル回転してチームを大舞台へと押し上げる。(シカゴ・奥田 秀樹通信員)

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2016年10月18日のニュース