中田、CS男MVP弾 大谷を称賛「凄くカッコ良かった」

[ 2016年10月17日 05:55 ]

パ・リーグCSファイナルS第5戦 ( 2016年10月16日    札幌D )

<日・ソ>CSのMVPが発表され中田(中央)がベンチ前でガッツポーズ
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 MVPが場内コールされると、日本ハム・中田は両手で万歳した。「本当にもう最高!」。少年のように、無邪気な笑顔を見せた。CSファイナルSでは2本塁打、5打点とまさに主砲の働きで初の受賞。この日も、4点ビハインドの2回に左越えソロを放ち、CS通算7本目のアーチが反撃開始の合図となった。

 「入りで4点取られたが、誰も諦めなかった。摂津さんは制球がいいので、ストライクゾーンの中でボールを出し入れしてくると思った」

 2ボールから摂津がカウントを稼ぎに来たシンカーをフルスイング。放物線を描いた打球は左翼席上段へ飛び込んだ。4回は先頭で左前打、5回は先頭・大谷の二塁内野安打に左翼線二塁打で続き、いずれも本塁まで生還した。

 9回の守備中、中田は笑っていた。大谷がマウンドに上がり、165キロを計測。「あそこまで投げられて、打っても超一流。こっちは練習するのがバカバカしくなる。凄くカッコ良かった。凄くうらやましい」。大阪桐蔭時代は最速151キロ右腕で、通算87本塁打の怪物にとっても、二刀流の後輩は異次元だった。

 それでも、中田がいなければ、広島と激突する4年ぶりの日本シリーズ進出もなかった。「子供の頃からずっと見てきた球団。(広島は)家族や親戚もいるし、一番になるところを家族に見せたい」。広島で生まれ、広島で育った4番はいわば「カープ男子」だった。

 プロ2年目の09年フレッシュ球宴でMVPを獲得した際に「家族みんなで獲ったから…」と、賞金100万円のボードを広島市内にある実家へ送ったこともある。そんな家族思いの男が、燃えないわけがない。過去、日本シリーズは2度出場しているが、高卒2年目だった09年は2打数2三振、前回12年は打率・238で、いずれもチームは敗れた。3度目の挑戦。「日本一」を手土産に、今度は故郷に錦を飾る。

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