広島 チャーター機で札幌往復 32年ぶり日本一へ1000万円投入

[ 2016年10月17日 06:30 ]

日本シリーズ

15日、セ・リーグのチャンピオンシャーレを掲げる緒方監督
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 日本一の夢を乗せた「カープジェット」が北の大地へ飛ぶ。広島は日本シリーズの相手に決まった日本ハムが本拠を置く札幌への往復移動で、チャーター機を利用することが16日、分かった。両球団の対戦はシリーズ初。広島と札幌に本拠を置くチームの「史上最長距離シリーズ」(直線距離で約1231キロ)となるだけに、球団は負担や時間の有効活用を考慮してチャーター機の利用を決定。万全の準備で32年ぶりの日本一へと向かう。

 12球団で最も遠ざかる日本一。84年以来32年ぶりの悲願に向け、球団は万全のバックアップ態勢を敷いた。日本シリーズは22日に開幕。本拠地で1、2戦を戦った後、24日に飛行機で約2時間かかる敵地の札幌に移動する。快適性、時間の有効活用などを総合的に判断した結果、チャーター機の利用を決めた。日本航空(JAL)に打診を済ませ、快諾を得たことで実現にこぎ着けた。赤と白を基調とする「カープジェット」である。

 直線距離で約1231キロ離れた場所での「史上最長距離シリーズ」。快適な移動が勝利の鍵を握る。定期便を利用した場合、広島―札幌の直行便は1日2便。特に第5戦後の移動日となる28日の復路に問題が発生する。新千歳空港発が午後3時5分と午後6時30分。いずれの便でも広島到着は夜となり、選手が翌日の試合のために費やせる準備時間は激減する。過去、交流戦中に同様の移動があった場合、神戸空港経由などで対応した。だが飛行機、新幹線と乗り継いでの長距離移動は体力的な消耗を余儀なくされる。問題を根本から解決する手段がチャーター機。球団関係者は「選手もその方が楽。万全の状態で試合に臨んでほしい」と説明した。

 これまで春季1次キャンプ地の宮崎から沖縄へ移動する際にチャーター機を利用したことはあるが、シーズン中となると極めて異例。チャーター費用は諸経費を含め、1000万円程度となる見込みで、日本一への「本気度」が表れている。選手もチャーター機での移動を大歓迎し、守護神の中崎は「移動しやすいですよね」と喜んだ。右腰部の違和感でCS出場が危ぶまれた経緯もあり、快適な移動で腰の負担は少しでも軽減される。

 32年ぶりの日本一は手の届くところまで見えてきた。選手たちはグラウンドで全力を尽くし、球団も考え得る限りのバックアップを惜しまない。

 ≪過去の記録は名古屋―札幌≫広島と日本ハムは日本シリーズ初顔合わせ。両チームの本拠地・マツダスタジアムと札幌ドームは直線距離で約1231キロ離れており、これは06、07年の中日(ナゴヤドーム)と日本ハム(札幌ドーム)の約952キロを上回り、最も遠距離の日本シリーズとなる。また、広島は過去6度の日本シリーズで阪急、近鉄、西武と対戦。最長距離は埼玉・所沢に本拠を置く西武との約651キロだった。

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