ボール球でよかった…三嶋悔やまれる初回先頭への１球

セ・リーグ　クライマックスシリーズ （ 2016年10月13日    マツダ ）

＜広・Ｄ＞１回裏無死、田中は右中間二塁打を放つ。投手三嶋
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　初回。先頭打者・田中へ投げた１球が勝負の明暗を分ける形になった。

　三嶋はツーナッシングと追い込んだが、３球目のスライダーを拾われて右中間二塁打。追い込まれてストライクゾーンを広く構えていた田中に真ん中低めのボール気味の球をはじき返された。田中は１戦目で猛打賞と４打席全て出塁。最も警戒していた打者だった。光山バッテリーコーチは「ボール気味の球を打たれてしまった。追い込んでボールにして次の勝負球というところで考えていたんだけど」と悔やんだ。ボール球を３球投げられる状況で、内角に投げて足元をずらすなど細心の注意を払う必要があった。

　相手投手は今季最多勝の野村。ＤｅＮＡ戦は今季３試合登板で０勝１敗、防御率７・４１と苦手にしているが、簡単に攻略できる投手ではない。前夜に先勝されただけに敵地で先制点を奪われると苦しくなる。絶好調の田中の一打が、丸の先制適時打につながった。「（田中に）うまく打たれた。ワンバウンドでも良かったかもしれない。バットの届くところに投げた僕が悪い」と三嶋。甘い球ではない。だが、負けられない試合で状況判断を考えると悔いの残る１球だった。（平尾　類）