【大野豊の視点】明暗分けた積極的1番 狙い定めた田中、初球打ちで強い打球

[ 2016年10月14日 08:25 ]

セ・リーグ クライマックスシリーズ ( 2016年10月13日    マツダ )

<広・D>8回無死、田中が右越え本塁打を放ちガッツポーズ
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 広島は2試合続けて1~3番がしっかり機能した。初戦のモスコーソに続いて、シーズンでの対戦では苦戦した三嶋から先手を奪った。特に田中が果たした役割は大きく、同じ1番打者を務める桑原とは好対照だ。2人とも積極的な打撃を持ち味にしている点は同じでも、田中は狙いを定めた上で打っている。だから、8回の本塁打のように初球打ちで強い打球を飛ばすことができる。

 桑原は田中以上に「超」の付くほど積極的に打ちに出ていても、詰まったようなファウルも多く打球が総じて弱い。狙いとは違う球種やコース、難しい球まで強引に打っているからだ。タイミングを外し、コースさえ間違えなければ簡単に打ち取ることができ、投手からすれば怖さを感じない積極性だった。

 野村は調整の不安を感じさせなかった。序盤は飛ばし気味に入り、普段以上に球速が出た。毎回走者を背負った4回以降はシーズン中と同じように粘り強く投げた。7回以降は3人のリリーフが1回ずつを抑え、試合前に思い描いた通りの継投策が決まった。理想的な試合運びだった。

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2016年10月14日のニュース