大谷「初戦は凄く大事」完投宣言 リアル二刀流出陣濃厚

[ 2016年10月12日 05:30 ]

セ・リーグCSファイナルS第1戦 ( 2016年10月12日    札幌D )

「初戦は大事38」と武田勝の手書きメッセージ入りの「俺のため優勝しろ」Tシャツを着てシャドーピッチングをする大谷
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 クライマックスシリーズ(CS)は12日にセ、パ両リーグのファイナルステージが開幕する。1勝のアドバンテージがあるパ・リーグ覇者の日本ハムは、大谷翔平投手(22)が2位・ソフトバンクとの初戦に先発する。11日は本拠・札幌ドームで前日練習に臨み、ブルペンで約30球。「リアル二刀流」で出場する可能性が高く、投手としては完投宣言し、打者としても今季の対戦打率4割超の相性を見せつける。

 前日練習終了後、大谷は涼しい顔で、淡々と言葉を紡いだ。大一番を前に、エースの貫禄さえ漂っていた。予告先発で発表された初戦のマウンド。22歳は覚悟を決めた。

 「初戦は凄く大事。勢いをつけられればいい。継投は流れが変わりやすい。基本的に長い回を投げることで勝つ確率が高くなる」。自らに重圧をかける「完投宣言」だ。

 相手は昨季まで2年連続日本一のソフトバンク。ファーストSを2連勝で勝ち上がった勢いを止めるためにも、初戦の持つ意味は大きい。今季の同カードは4試合で2勝0敗、防御率1・26と相性は抜群だ。相手を1安打に抑え、15奪三振での1―0完封でリーグ優勝を決めた9月28日の西武戦(西武プリンス)以来の登板となるが、その再現ができれば、アドバンテージと合わせて2勝。シリーズの流れを一気につかむことができる。

 この日はブルペンで約30球を投げるなど投手調整に専念した。前回登板から2週間。この間、実戦登板は5日の紅白戦で投げた1イニングのみだが「時間は十分にあった」と自信の口ぶりだ。

 注目の起用法について、栗山監督は「迷いは一切ない。まずは投げることをしっかりやってほしい」と明言を避けたが、打者としても打率・411、9本塁打とカード別で最も相性がよく、投打同時出場の「リアル二刀流」の可能性が高い。投手重視になることから、打順は下位が有力。大谷も「(打者で)出たらバットで稼げるようにしたい。起用してもらったところで頑張りたい」と意欲的に語った。

 昨季はCSファーストSの初戦に先発し、3回途中5失点KOで敗戦投手。チームもロッテの前に1勝2敗で敗退した。それだけに「自分に勝ちがつく、つかないは全く関係ない。勝てば何でもいい」と言い切った。

 練習中、今季限りで現役引退する武田勝の「俺のために優勝しろ」Tシャツを着た大谷の胸には、先輩左腕の直筆で「初戦は大事 38(武田勝の背番号)」と記された。今季7戦7勝の「リアル二刀流」で、天下統一への戦いが幕を開ける。 (柳原 直之)

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