金本監督 今年も高校生投手獲る “希望枠”「大木になりうる選手を」

[ 2016年10月8日 08:00 ]

阪神の金本監督
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 今年も“希望枠”を獲る!阪神は7日、兵庫県西宮市の球団事務所でスカウト会議を開き、今秋ドラフト候補81人をリストアップした。1位候補には桜美林大・佐々木千隼投手(22)を内定しているが、昨年、素材重視で高卒の望月惇志投手(19)を4位指名したように、今年も中位から下位で将来性豊かな高校生投手を指名する方針であることが分かった。

 すでに桜美林大・佐々木千の1位指名方針を固めているように、今秋ドラフトの最重要補強ポイントは即戦力投手だ。上位指名枠では大学・社会人投手の比重が高くなることは想像に難くない。ただ同時に5年先を見据えた戦力補強も怠るわけにはいかない。今年も中位から下位で、将来性豊かな高校生投手を指名する算段を整えた。

 「第2の望月」の獲得を目指す。昨年、素材重視でドラフト4位指名した望月は1年目の今季から大器の片りんをのぞかせた。春先から金本監督に「将来のエース候補」と言わしめ、シーズン最終戦となった1日の巨人戦(甲子園)で1軍デビュー。甲子園の虎党の前で自己最速153キロを叩き出し、1回1安打無失点と来季への希望の光となった。5日の坂井オーナーへのシーズン終了報告会見で指揮官も「そこそこの選手というより将来、大木になりうる可能性のある選手をドラフトしていきたい」と戦略を語っており、今年も“希望枠”を設ける方針だ。

 例年以上に粒ぞろいで、「豊作」と言われる今秋ドラフト。素材に恵まれながらも上位指名には至らない、“希望枠”の高校生候補もめじろ押しだ。

 地元である近畿圏では1メートル87、79キロの恵まれた体格から最速148キロの直球を投げ下ろす須磨翔風(兵庫)・才木、今夏の甲子園大会に出場した最速148キロ右腕の近江(滋賀)・京山、ドラフト1位候補の寺島の2番手だった最速145キロ左腕の履正社(大阪)・山口の評価が高い。

 北陸、四国、九州にも逸材が散在する。昨春センバツ優勝メンバーの敦賀気比(福井)・山崎は1メートル88の長身を生かした柔らかいフォームから最速145キロを投げ下ろす本格派。ナイジェリア人の父を持つ松山聖陵(愛媛)・アドゥワ誠も現段階では粗削りながら1メートル96の長身から最速145キロを投じ、身体能力が高い。九産大九州(福岡)・梅野、都城(宮崎)・山本はともに最速150キロ超を誇り将来性十分。1メートル83、87キロの恵まれた体格の福岡大大濠(福岡)・浜地もダイヤの原石だ。

 この日、阪神は球団事務所で四藤社長、高野本部長ら球団幹部も参加したスカウト会議を開催。1位候補13人を筆頭にドラフト候補を81人に絞り込んだ。今後は20日のドラフト会議へ向けた指名シミュレーション作業に取り組み、将来、大木となりうる“希望枠”の見極めも進めていく。

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