巨人 素行不良クルーズいらん 抹消!CS“戦力外”練習態度など問題視

[ 2016年10月4日 05:30 ]

巨人のクルーズ
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 巨人は3日、ルイス・クルーズ内野手(32)の出場選手登録を抹消した。8日からDeNAと対戦するクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(東京ドーム)には出場できない。下半身に不安を抱えているものの、1日のレギュラーシーズン最終戦も出場しており、プレーに支障はなかった。関係者の話を総合すると、試合に臨む姿勢や練習態度など、チームの士気に関わる行動を問題視した首脳陣が決断したとみられる。正二塁手不在のまま、高橋巨人はCSを戦う。

 午後1時開始の全体練習前。12時12分だった。野球帽を逆にかぶったクルーズが、東京ドームのロッカールームから早々と出てきた。背中にはリュックサック。大きなスポーツバッグを引っ張って向かったのは、グラウンドとは逆の出口だった。付き添った通訳が「何も言えません」と言い、助っ人は足早に帰路に就いた。午後3時には出場選手登録抹消の公示。高橋監督は「何て言えばいいかな…。チーム事情としか言えないです」と多くを語らなかった。

 関係者の話を総合すると、クルーズは球場入り後、シーズンを通して抱えてきた下半身の不安を再び訴えたとみられる。1日のレギュラーシーズン最終戦までプレー。ところが、休養日を挟んでCSに向けて練習を再開する矢先だった。シーズン中も首脳陣は一塁へ全力疾走しないことを再三注意したが、改善されなかった。試合直前に患部の痛みを訴えて欠場することもあったという。

 9月19日に埼玉・戸田での2軍戦出場後、翌20日からの1軍出場のため、甲子園遠征中のチームに合流。その際、台風の接近で中止が濃厚だったことから、合流に難色を示して悪態をついたという情報もある。首脳陣はこうしたことを踏まえて総合的に判断し、チームとともに戦う意思がないと判断したとみられる。

 4月28日の阪神戦(甲子園)で当てた左足首付近への自打球の影響で約2カ月間戦列を離れたが、それも自己管理不足が原因だ。チームは故障予防を目的に打席に入る際のレガース着用を義務付けているが、クルーズはレガースの着用を忘れ、長期離脱に至っている。

 ファイナルステージに進んだ場合は再登録が可能だが、高橋監督は「それは分からない」と言葉を濁す。その上で「いるメンバーで戦うっていうのは特別変わったことではない。出られる人はチャンスじゃないですか」と話し「クルーズなし」で戦う可能性を示唆した。片岡が左手有鉤(ゆうこう)骨骨折で今季絶望だが、中井や寺内でカバーする。さらに今季二塁で18試合に先発した新人の山本や本職が三塁の岡本がこの日、フェニックスリーグに参加している宮崎から緊急帰京。4日から合流する。

 クルーズは2年契約の1年目だが、チームへの謝罪や改心が見られなければ最悪の場合、退団という可能性もある。5日後に迫ったCSへ、高橋巨人が戦力ダウンを覚悟の上でチームの規律を最優先し、大きな決断を下した。 (春川 英樹)

 ◆ルイス・クルーズ 1984年2月10日、メキシコ生まれの32歳。00年にレッドソックスと契約。08年にパイレーツでメジャー初出場。ドジャース、ヤンキースなどを経て、13年オフにロッテ移籍。15年にはゴールデングラブ賞を獲得した。3年間で通算340試合に出場し、打率・248、43本塁打、171打点。メキシコ代表として06、13年のWBCでプレー。1メートル83、95キロ。右投げ右打ち。

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