筒香 本塁打&打点の2冠御礼弾 練習試合で社会人右腕にプロの洗礼

[ 2016年10月2日 05:30 ]

練習試合 ( 2016年10月1日    横浜 )

<DeNA・JX―ENEOS>2回無死、中越えソロを放つDeNA・筒香
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 セ・リーグ3位のDeNAは1日、2位・巨人とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(8日開幕)に向け、社会人のJX―ENEOSと練習試合を行った。筒香嘉智外野手(24)は、初打席の2回に来秋ドラフト候補の最速150キロ右腕・柏原史陽投手(23)からバックスクリーンへ特大のソロ。この日、セ全日程が終了し、本塁打と打点の2冠王に輝いた4番打者がCSに向けて早くもパワーを全開させた。

 あまりにも強烈な一撃だった。2回の初打席。筒香はいきなりバックスクリーンへ放り込んだ。

 「CSにいい状態で入れるように最高の準備をするだけ」。涼しい顔で振り返ったが、打たれた柏原は驚きを隠せない。「あんな本塁打は打たれたことがない。相手が2枚も3枚も上でした」。社会人相手とはいえ、柏原は最速150キロを誇る来秋ドラフト候補右腕。4球全て直球勝負で挑まれたが、筒香は146キロを軽々と打ち返し、“プロの洗礼”を浴びせた。

 「2冠御礼弾」でもあった。この日、セ・リーグの全日程が終了。44本塁打と110打点でプロ7年目にして初のタイトルを獲得した。打撃3部門の2冠は、球団の日本人では史上初の快挙だ。

 「僕一人で成し遂げられたものではない。たくさんの方に支えられた結果です」。打率・322も含め、キャリアハイの成績を収めた24歳。03年のヤクルトでの現役時代に同じ本塁打と打点の2冠を獲得しているラミレス監督は「まあまあな選手、いい選手、凄い選手がいる。彼も凄い選手の仲間入りだね。アメージング!」と独特の表現で称えた。筒香は第3打席でも中前打を放ち、3打数2安打。8日から始まる巨人とのCSファーストステージに向け、万全の状態を示した。

 球団初のCS進出を成し遂げ、次の目標は「下克上」の日本シリーズ進出だ。主将でもある筒香は「チームタイトルは獲っていない。勝ち取りにいきたい」と意気込む。巨人には今季14勝10敗1分けと勝ち越し、その原動力になったのは打率・319、7本塁打、18打点と打ち込んだ4番だ。初戦の先発が予想されるエース菅野との今季の対戦成績も15打数5安打、3本塁打と好相性だ。

 「ファンの方の期待はあると思う。満員の横浜スタジアムで僕たちはいい環境でプレーさせてもらった。恩返しをしたい」。初めての短期決戦でも2冠を獲得した打棒を見せつけ、CSを突破する。 (中村 文香)

 ≪25歳以下は18年ぶり ゴジラ以来≫筒香(D)が初の本塁打王と打点王に輝いた。チームで打率、本塁打、打点の打撃3冠部門のうち2部門以上でタイトルを獲得するのは、13年のブランコ(首位打者、打点王)に次ぎ4人目。左打者および日本人では筒香が初めてで、本塁打と打点の組み合わせは大洋時代の88年ポンセ以来2人目だ。なお、筒香は今季が25歳シーズン。この年齢以下で打撃3冠部門の2冠以上は、98年松井(巨)が24歳で本塁打王と打点王となって以来18年ぶりだ。

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