阪神・藤浪 11月侍ジャパン有力候補に WBCへ最終アピールだ

[ 2016年9月30日 07:15 ]

藤浪はキャッチボールで力感たっぷりに投げ込む

 30日の巨人戦(甲子園)で今季最終登板に臨む阪神・藤浪晋太郎投手(22)が、11月の侍ジャパン強化試合(10日から13日、対メキシコ、オランダ)の日本代表メンバー有力候補に残っていることが29日、分かった。今季は7勝11敗と苦しんでいるが、侍ジャパンの首脳陣は潜在能力を高く評価。選出されれば、来年3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ向けて最終アピールの場となる。

 4年目で初めて壁にぶち当たった右腕に、まだ世界一を狙うチャンスは残されていた。来年のWBCへの最終テストの場となる11月の侍ジャパン強化試合。その「候補者リスト」に藤浪の名はしっかり入っていた。侍ジャパン関係者は「あれだけの迫力のある投手はなかなかいない。今季は苦しんだが、まだ若いし来年になれば変わる可能性は十分ある」と話した。

 中学、高校時代にも日の丸を背負った藤浪はプロ2年目、14年10月の日米野球で侍ジャパンのトップチームデビュー。15年3月の欧州代表戦にも選出された。同年10月の「第1回プレミア12」の最終ロースター28人にも入ったが、シーズン終盤から抱えていた右肩の炎症を理由に出場辞退。今年3月の台湾代表戦も、故障明けを考慮して招集を見送られた。

 ただ、最速160キロの剛球を投じ、計り知れないポテンシャルを秘める剛腕の名は小久保監督、権藤投手コーチら侍ジャパン首脳陣の構想に常に入っていた。今季はここまで7勝止まりで、入団から4年連続の2桁勝利はならず。フォームが定まらず、制球に苦しむマウンドが目立ったが、高い評価は変わっていない。

 11月10日から東京ドームで行われるメキシコ、オランダとの強化試合4戦は来年3月のWBCを見据えた最終選考の場ともなる。小久保監督はメンバーについて「野手はベストメンバー、投手はシーズンの疲労も考慮して招集する」と話しており、巨人・菅野や日本ハム・大谷ら「確定組」は同6日からQVCマリンで行う予定の直前合宿にだけ参加し、試合は投げない可能性が高い。藤浪も1年間ローテーションでフル回転してきたが、当落線上にいるだけに、招集されれば実戦登板で最後のアピールを求められることになりそうだ。

 藤浪自身は、ここに来て復調の手応えをつかみつつある。22日の広島戦(マツダ)では5安打1失点完投。投球フォームのバランスを修正し、今季7度目の対戦で初めて広島から勝利した。今季最終登板となるきょう30日の巨人戦(甲子園)に向けても「しっかり投げるしかない。任されたところで、しっかり投げたい」と、その手応えを確かなものにする意気込みだ。それが侍ジャパン入りへの一押しともなる。

 11月の強化試合の日本代表メンバー発表は10月中旬の予定。まずは今季最終登板で快投を演じ、その先につなげたい。

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