ダル 高速魔球で鬼門突破 150キロ台ツーシーム連発「自信になる」

[ 2016年9月26日 05:30 ]

<アスレチックス・レンジャーズ>高速ツーシームで鬼門突破!7回無失点で6勝目を挙げたダルビッシュ(AP)

ア・リーグ レンジャーズ5―0アスレチックス

(9月24日 オークランド)
 ポストシーズンへ準備OKだ。レンジャーズのダルビッシュ有投手(30)が24日(日本時間25日)、アスレチックス戦で7回2安打無失点9奪三振と快投し、6勝目(5敗)を挙げた。93マイル(約150キロ)超の高速ツーシームを連発するなど全球種を自在に操り、過去2勝9敗と苦手にしていたア軍を圧倒。「鬼門」のオークランドで初勝利を挙げ、メジャー通算800奪三振にも到達した。

 唯一のピンチでダルビッシュの「魔球」がさえた。2―0の5回、ボテボテの内野安打と四球で1死一、二塁。左打者のマクスウェルに投じたのは高速ツーシームだ。94マイル(約151キロ)、95マイル(約153キロ)と外角に2球続け、バットから遠ざかる軌道でいずれも空振り。5球目のスライダーで中飛に仕留めた。次打者も抑え、6、7回は走者を許さなかった。

 「今日は普通の、真っすぐに近い形で握っていた。前はもっとスプリットに近い形でスピードが落ちていたけど、何となく(高速ツーシームの)感覚が良さそうだったから投げた。左打者も空振りしていましたし」

 常に上のレベルを求め改良を重ねる。最近はあえて90~91マイル(約145~146キロ)程度に減速したツーシームを使っていた。「マー君(ヤンキース・田中)と話したら彼も“ツーシームは速度を落とした方が打ってもらいやすい”と言っていたので」。球速を落とすと変化が大きくなり、打者の芯を外してゴロを打たせやすいという考え方だ。しかし、この日は自身の感覚を重視して高速バージョンを選択した。

 高速ツーシームだけではない。過去3試合で計13失点だったが「フォームをちゃんと改良できた」と、スライダー、カーブ、チェンジアップも抜群の切れを見せた。速球の最速は98マイル(約158キロ)。「全球種を思い通りに制球できた?」との問いに「はい」とうなずいた。敵地オークランドでは過去0勝3敗。本拠地を含めた通算13試合でも2勝9敗、防御率5・07だったアスレチックス戦だけに「相性が良くない中でいい成績を残せたのは自信になる」と手応えを語った。

 前日にリーグ一番乗りで地区優勝。ダルビッシュは残り1試合に先発し、ポストシーズンはハメルズに続く2番手で起用される。「準備はできていると思います」ときっぱり。球団初の世界一へチームを引っ張るべく、圧巻のデモンストレーションとなった。(オークランド・奥田 秀樹通信員)

 ≪対ア軍戦通算14戦3勝9敗≫ダルビッシュはアスレチックス戦は通算14試合で3勝9敗、防御率4・64。また、今回の好投で1勝3敗、防御率5・72まで改善したが、ア軍の本拠オードットコ・コロシアムは過去4試合で0勝3敗、防御率・7・59。マリナーズのセーフコ・フィールド(3試合0勝3敗、防御率7・71)に並ぶ相性の悪さだった。

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