能見 中継ぎ適性見せた6球「言われたところで投げられたら」

[ 2016年9月26日 09:00 ]

<中・神>7回2死、3番手としてマウンドに向かう能見

セ・リーグ 阪神4―1中日

(9月25日 ナゴヤD)
 及第点となる6球だった。来季を見据えた中継ぎの適性テストとして阪神・能見が4―1の7回2死無走者から3番手で登板。1回4安打2失点だった昨年10月4日広島戦以来となる救援登板で、1/3回を無失点に封じた。

 「まあ(打者)1人なんでね。特に何もないですよ」

 終盤に差し掛かった場面で背番号14がコールされると、ナゴヤドームにどよめきが起こった。スタンドの喧噪(けんそう)をよそに、左腕は普段通りにマウンドへ向かうと、直球がさえた。先頭の代打森野に初球を中前にはじき返されたが、147キロを計測。続く大島にも146キロ直球でカウントを整え2ボール2ストライクから落差あるフォークでタイミングを外し投ゴロに打ち取った。

 来季補強ポイントの一つが左のセットアッパーの増員。今季、シーズンを通して登板したのは高橋だけだ。能見は今季、先発として24試合に登板し8勝(12敗)。146回を投げ125三振を記録。三振を奪う能力に衰えはなく、この日も140キロ台後半の直球を連発したように、短いイニングだからこそ球威も見込めるだけに、リリーフ適性を十分に備えていると言える。金本監督も「(来季を見据えてかと問われ)そう。能見と岩崎。しっかりと右(打者)が来ても大丈夫という左投手が1枚ほしい。(能見はフォークもあって)三振が取れるから。(2人とも中継ぎに配置転換も)ありえるかも。どっちかだろうけど」と説明した。

 金本監督から期待を寄せられた能見は「僕は言われたところで投げられたらいいなと思っています」と言葉を選んだ。来季38歳シーズンを迎えるベテラン左腕が、新たなポジションに就く可能性も出てきた。 (湯澤 涼)

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2016年9月26日のニュース