阪神・北條 ジョンソン撃ちV弾 2年越しやっと天敵に土つけた

[ 2016年9月23日 06:52 ]

<広・神>4回無死、北條はジョンソンから左越えソロを放つ

セ・リーグ 阪神4―1広島

(9月22日 マツダ)
 未来への一発だった。0―0の4回先頭の第2打席。打順一まわり目は完璧に抑えられたジョンソンを、阪神・北條が一振りで仕留めた。フルカウントからの7球目の内角直球を振り抜いた打球は、左翼ポール際の広島の日本酒メーカーの看板を直撃する文句なしの4号先制弾となった。

 「感触は良かった。ジョンソンは両サイドへのコントロールがいいので、コースに逆らわない打撃をしようと意識していた。追い込まれたけど、体がうまく反応して動いてくれた」

 決して甘いボールではなかった。胸元への147キロを、体を開かずにぶれない軸回転でジャストミートした。「たぶんそうですね」とはにかむプロ入り最高の当たり。同期入団の藤浪が登板中の初めての援護弾だ。

 天敵中の天敵だった。昨季、広島に加入したジョンソンに、チームはこの日初めて黒星を付けた。過去9度の登板で6勝0敗、防御率1・37。北條も10打数2安打だったが、決勝弾は阪神の選手が左腕から初めて放った本塁打にもなった。

 「今季、ジョンソンに負けを付けられていなかったので“最後は絶対勝つ”とみんなが思っていたと思う。それを付けられて良かった」

 『超変革』を象徴する選手たちの中でも一、二を争う成長株だ。もともと打撃センスは非凡。春季キャンプから密着指導を受けてきた金本監督の教えを、スポンジが水を吸うように吸収している。ただ教えられるだけではなく、この日の試合前には「今日は打っていて体が開き気味だなと思ったんで、ネットを使って練習した」と自ら微修正することも怠らない。

 1つ勝っただけで敵軍との決定的な差を帳消しにすることはできない。ただ『超変革』の申し子たる北條や高山の活躍でつかんだ白星は、ただの1勝ではない。苦渋を味わい続けた広島の空に架かったアーチが、虎の未来を照らしていた。(山添 晴治)

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