広瀬&倉V花道に引退 低迷期支えたベテランが決断

[ 2016年9月21日 05:30 ]

引退を発表した広島の倉(左)と広瀬

 Vを花道に、低迷期を支えたいぶし銀のベテランが現役に別れを告げる。広島は20日、広瀬純外野手(37)と倉義和捕手(41)が今季限りで引退すると発表した。17日に申し入れ、了承された。本拠地最終戦となる25日、ヤクルト戦が引退試合となる予定。当日は黒田博樹投手(41)の先発が濃厚で、“専属”捕手を務めた倉とのバッテリーが9年ぶりに復活するかもしれない。

 玄人筋をうならせた強肩は最後まで復活しなかった。2季連続で1軍未出場に終わった厳しい現実。広瀬は広島でのプロ生活を「貴重な体験もしたし、多くのことを勉強させてもらった。ただ自己責任ですが、ケガが多く、悔しい思いの方が多い」と振り返った。

 確かに、故障がちな野球人生だった。1軍昇格が検討された8月下旬、ウエスタン・中日戦(由宇)で首痛と右肩痛を発症。これがユニホームを脱ぐ契機となった。懸命に復帰を目指したが、思い通りにボールを投げられない自分を客観視した時、引き際を悟った。

 「大事な時にまたケガをしてしまい、区切りをつけるタイミングなのかな…と。2年間1軍にいなかったわけですから」

 法大時代から強肩と巧打に定評があり、2000年に逆指名のドラフト2位で入団。10年には出場135試合で打率・309、12本塁打、57打点のキャリアハイをマーク、初の球宴出場とゴールデングラブ賞受賞も果たした。13年には15打席連続出塁の快挙を達成。今なおプロ野球記録として残る。16年間の通算成績は出場977試合で打率・273、51本塁打、253打点だった。

 今後は未定。「野球に携わっていきたい気持ちはある」。輝きは一瞬でも目映かったがゆえに、故障さえなければ…の思いを禁じ得ない。最後まで必死にもがきながら果たせなかった昇格。「チャーリー」の愛称で親しまれた広瀬の16年間は静かに終わりを告げた。

 ◆広瀬 純(ひろせ・じゅん)1979年(昭54)3月29日生まれ、大分県出身の37歳。佐伯鶴城から法大に進み、4年時に日本代表でシドニー五輪出場。00年のドラフト2位で広島入団。10年に外野手でゴールデングラブ受賞。13年4月には15打席連続出塁のプロ野球記録を樹立した。通算成績は977試合で595安打、51本塁打、253打点の打率・273。1メートル81、85キロ。右投げ右打ち。

 ◆倉 義和(くら・よしかず)1975年(昭50)7月27日生まれ、京都府出身の41歳。京都成章から京産大を経て、97年のドラフト5位で広島入団。8年目の05年には自己最多の109試合に出場。この年から07年まで黒田の専属捕手を務めた。16年から2軍バッテリーコーチを兼任。通算成績は719試合で339安打、23本塁打、126打点の打率・217。1メートル79、90キロ。右投げ右打ち。

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2016年9月21日のニュース