広島 優良助っ人を獲得できる2つの理由

[ 2016年9月12日 12:53 ]

広島のジョンソン

 【25年ぶり鯉のぼり(番外)】 広島の25年ぶりのリーグ優勝に、外国人選手の貢献度は小さくない。左腕のジョンソンを筆頭格に、セットアッパーのジャクソン、先発と中継ぎで7勝のヘーゲンズ、打者では大砲のエルドレッドに巧打のルナと、タイプの違う役者がそろう。中でもジョンソンは1年目の昨季に最優秀防御率(1・85)のタイトルを獲得し、今季も目下リーグトップタイの14勝。球団は6月に先手を打って異例の3年契約を結んだ。

 広島は外国人選手の補強上手と言える。低迷期にあった00年以降、投手ではルイス、バリントン、サファテ、野手ではシーツ、ラロッカらがチームを支えた。優良助っ人獲得の背景には2つの理由があった。

 まずはエリック・シュールストロム、スコット・マクレーン駐米スカウトの存在だ。前者が米国の西地区を、後者が東地区を担当。他のスカウトが「どこへ行っても彼らはいる」と舌を巻くほど、観戦する試合は数多い。とりわけ、シュールストロムの見る目には定評がある。選手が広島の気質に合うか否か、性格面を含めてチェック。数年前には、手腕を見込んだ某球団から引き抜きオファーを受けたが、広島愛を貫いた。妻は広島出身の日本人女性だ。

 顧問弁護士を務める米国在住のジョナサン・ファインの存在も大きい。大学卒業後に来日し、球団入り。89年からの2年間は、当時営業企画担当だった鈴木清明(常務取締役球団本部長)の下で働き、帰国後に弁護士資格を取得した変わり種だ。鈴木は「彼はウチの考えが分かる」と言う。

 新球場完成後、広島の資金力は大幅に上がったが、選手の実力に見合った契約が基本姿勢。迅速かつ機能的に交渉できるのが大きな強み。敏腕なスカウトと弁護士の強力タッグも、優勝にひと役買ったと言っていい。=敬称略= (広島取材班)

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2016年9月12日のニュース