創価大・正義「6、7割の力で」153キロ 11球団28人視察

[ 2016年9月11日 05:30 ]

<創価大・高千穂大>8回1失点の創価大・田中

東京新大学野球1回戦 創価大6―2高千穂大

(9月10日 さいたま市川通公園)
 いきなり153キロ!今秋ドラフト1位候補の田中正義投手(4年)が10日、東京新大学秋季リーグの高千穂大戦に先発し、8回2安打1失点で7三振を奪った。右肩の違和感などで公式戦登板は4月23日の同春季リーグ共栄大戦以来だったが、最速153キロをマークして秋初戦のチームを開幕白星に導いた。ネット裏に集結した11球団のスカウトに復調した姿を見せた。

 これで本調子ではないのだから、驚きだ。初回に151キロを叩き出すと、2回も軽く投げ込んでこの日最速の153キロをマーク。それでも「今日は良くなかった。体に切れがなかった。納得できたのは1球くらい」と自己評価は厳しかった。

 右肩の違和感で今春リーグ戦は2試合の登板にとどまった。6月末にブルペン投球を再開したが7月の練習中に右足太腿裏に軽い肉離れを起こし、投げ込みやランニングの量は不足した。それだけに、この日は「打たせて取ろうと思い、6、7割の力で投げた」と言いながら150キロ台を連発した。

 7回からは走者がいない場面でも「バランスを重視した」と、セットポジションからの投球を試みた。意識したのは左足だ。無駄な動きが出るワインドアップよりスムーズに上がるという。球威よりフォームのバランスに重点を置きながら球速は148キロをマーク。満足いく調整ができていない中、潜在能力の高さを見せつけた。

 ネット裏には11球団28人のスカウトが集結。今夏甲子園では1位候補の評価を受けた高校生の好投手が多く登場したが、今季初めて視察した巨人の堤辰佳ゼネラルマネジャー(GM)は「モノは抜けていますね。投げられる状態になっている。投球がうまいですね。うちの中ではAクラスの評価をしているし、あとはリーグ終盤戦できちんと投げていれば本物。また秋をしっかり見ていかないと」と評価した。

 田中にとっては学生野球ラストシーズン。主将として優勝を飾りたい思いは誰よりも強い。「次はいけると思う。このチームで優勝がしたい」。実りの秋へ。まずはリーグ優勝に向かってまい進する。 (松井 いつき)

 ▼西武・渡辺久信SD まだ手探りのところがあると思うけれど、(体調面などは)もう大丈夫じゃないか。

 ▼ロッテ・永野吉成チーフスカウト 体については問題ないと思う。あれだけ腕が振れていたから大丈夫だと感じた。

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