ハム再奪首!11日にもM13 守護神から先発転向の増井が7勝目

[ 2016年9月10日 07:20 ]

<楽・日>歓喜の再奪首!大谷らナインとタッチを交わす増井(左端)

パ・リーグ 日本ハム8―2楽天

(9月9日 コボスタ宮城)
 日本ハムは9日、楽天に8―2で快勝。ソフトバンクがオリックスに敗れたため、首位に浮上した。8月25日以来の首位へと導いたのは増井浩俊投手(32)だ。7回1失点で初の2桁10奪三振。連勝を4に伸ばす7勝目を挙げた。前回首位に立った時も増井。守護神から先発に転向し、今最も頼りになる男だ。チームは3位以内が確定し、ソフトバンクとともにクライマックスシリーズ(CS)進出が決定。最短で11日にも優勝マジック「13」が点灯する。

 15日ぶりの首位返り咲き。その立役者となった増井は「今日は毎回ランナーを背負って苦しい投球だったが、野手の皆さんの援護が大きかった」と感謝した。4連勝。誇らしげに汗を拭った。

 ストッパーに戻ったような力投だった。6回2死一塁。2回にソロを浴びたペレスを1ボール2ストライクと追い込むと、148キロ直球で空振り三振を奪った。7回110球を投げ、10奪三振。前々回はプロ初完投、前回は初完封。そして今回は初の2桁奪三振。投げるたびに進化する。

 「球種を増やしたことが大きい。その試合で一番いい球を選べる。今日はフォークとスライダー」。4回2死二塁のピンチでは、嶋をフォークで空振り三振に仕留めた。完封した前回1日の楽天戦(東京ドーム)は2三振だから別人のようだ。

 今年2月だった。米アリゾナ州での春季キャンプ中、大リーグ通算601セーブを誇るトレバー・ホフマン氏が増井のブルペン投球を視察した。憧れの守護神の前でフォークを披露し、「いい球だ」と褒められた。その際、宝刀のチェンジアップの握りも伝授された。ストッパーで生かすはずが、先発として投球の幅を広げる武器になった。

 今年4月1日だった。守護神として凱旋した球団初の静岡開催のソフトバンク戦で救援に失敗した。お隣の焼津市出身。サングラスケースに名物カツオのキーホルダーを付けるほどの愛する地元だけに、ショックは大きかった。先発転向を提案したのは栗山監督だが、吉井投手コーチは「本来は先発タイプ。調整で中継ぎをやったら、いつの間にか名ストッパーになった」と振り返る。

 もう先発ローテーションに欠かせない。「初めは自信なかったけど、だんだん自信もついてきた」。先発転向後、4勝1敗、防御率1・06。今季初の首位に立った8月25日のロッテ戦(QVCマリン)でも完投で勝利に導いたのは増井だった。ソフトバンクに0・5ゲーム差をつけ、残り17試合。栗山監督は「増井はピンチに強い。それが証明された。順位?最後に笑うことしか考えていない」とうなずき、増井も「優勝しか見ていない」と言い切った。7年目右腕に対する信頼感は日ごとに強まるばかりだ。 (君島 圭介)

 ≪3年連続CS進出≫日本ハムが楽天に勝って3位以上が確定し、3年連続のCS進出を決めた。日本ハムは試合前のCSクリンチが3で通常なら1となるが、ロッテ、楽天と勝率が並んだ場合でも直接対決勝率で楽天を上回ることが確定したためCS進出が決まった。また楽天の敗戦でソフトバンクの3年連続CS進出も決まり、日本ハムとともにパ最多のCS進出回数を8とした。

 ≪11日にもM13点灯≫日本ハムは8月25日以来の首位浮上。10、11日の楽天戦に連勝し、ソフトバンクが西武戦に連敗すれば、優勝マジック13が初点灯する。

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