阪神・原口 V撃で連敗脱出 甲子園35日ぶり六甲おろし

[ 2016年9月5日 05:50 ]

<神・D>8回2死一、二塁、原口が左越えに勝ち越しの2点適時二塁打を放つ

セ・リーグ 阪神3―1DeNA

(9月4日 甲子園)
 勝利の六甲おろしが35日ぶりに甲子園球場に鳴り響いた。阪神は4日、DeNA戦(甲子園)に3―1で逆転勝利し、連敗を7で止めた。同点に追いついた8回、なお2死一、二塁から原口文仁捕手(24)が決勝の左越え二塁打を放った。本拠地では7月31日の中日戦以来の勝利。最下位転落を免れ、逆転でのクライマックスシリーズ(CS)進出へ望みをつないだ。

 高山の同点打で追いついた8回、継続した2死一、二塁の好機で原口は打席へ向かった。目前で須田に投手が代わり、1球目が来る前には二塁けん制で走者の上本が交代するアクシデントもあった。中断は約5分間。「結構、時間が空いたので、より集中した方が勝つな、と」。心を沈め、息を整え、狙いを定めた。

 「直球一本というよりは、内角は来ないと思って、真ん中から外よりに目付けして、外角を狙った。飛んでいった方が良かったですね。集中した結果だと思う」

 捕手らしく配球を読み切った。外角に外れた初球スライダーを見切り、2球目の外角直球に反応。打球は左翼手の関根の頭上を越し、走者2人を迎え入れた。8月30日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、出場3試合ぶりの打点を挙げ、到達した二塁ベースでは何度も手を叩いて、喜びを爆発させた。

 「ちょっと止まっていたので、修正する所は修正してたけど、うまくいかずに。でも、昨日(の練習)でしっくり来た所もあったので」

 5月以降からは維持していた打率3割の大台を8月末に割り込んだ。外角変化球を引っかけるようになり、最大の武器とする打撃が下降。守備力に定評のあるドラフト2位・坂本に先発マスクを譲る日が増えても、軸のぶれない強さがあった。

 「もちろん、良いことばかりではないですから。悪い時なんて育成時代に嫌というほど、経験してますからね」

 度重なるケガに泣かされ、思うような野球が出来なかった6年間の下積み生活が逆境を跳ね返す原動力だ。育成時代に着用した背番号124のユニホームも、まだ寮の自室に保管。見る度に、はい上がる力をもらった。

 「久しぶりの捕手で、ロペスの(本塁打)所はもったいないし、どうにかできたところは反省して。(岩貞は)変化球を低めに強く、しっかり腕を振ってくれた。粘り勝ちということですね」

 先発マスクは3試合ぶり。8月21日の巨人戦(東京ドーム)以来だった岩貞との同学年バッテリーで35日ぶりの甲子園勝利を呼んだ。「まだまだ(CSを)あきらめてないので。ファンの人も喜んでくれることが、僕らのやりがい。チーム一丸で勝つためにやっていきたいと思います」。6度目の猛打賞で打率・304へ上昇。暗いトンネルを抜け、秋の戦いをさらに熱くさせる。(久林 幸平)

 ≪中日戦以来35日ぶり≫阪神が夏の長期ロード明け初勝利で、連敗を7で止めた。甲子園の勝利はロード直前の7月31日、中日戦以来35日ぶり。チームは6日の巨人戦に勝ち、DeNAがヤクルトに負ければ自力CS進出の可能性が復活する。

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