阪神 ドラ1候補は4投手 急浮上は最速153キロ桜美林大・佐々木

[ 2016年9月2日 08:20 ]

(左から)横浜・藤平、履正社・寺島、創価大・田中、桜美林大・佐々木

 阪神が、今秋ドラフトの1位候補を創価大・田中正義(22)ら4投手に絞り込んでいることが1日、分かった。なかでも急浮上したのが、最速153キロを誇る桜美林大・佐々木千隼投手(22)だ。7月の日米大学野球では田中に代わって日本代表のエースを務めた即戦力右腕。リーグ優勝の可能性が完全消滅した阪神は、残り19試合の戦いと並行して来季戦力補強も推進する。

 1年間の中で最大の補強機会とも言えるドラフト会議。例年、将来のエース、4番として嘱望される1位入札選手は、フロントと指揮官の総意で決める一大事項だ。阪神の今オフの最重要補強ポイントは、紛れもなく即戦力投手の獲得。11年連続のV逸決定から一夜明けた1日、候補が4人まで絞り込まれたことが判明。田中、佐々木に履正社・寺島、横浜・藤平の高校生2人。今夏の甲子園大会では「BIG4」が沸かせたが、虎のドラフト戦線も「BIG4」が主役となる。

 完成度が高いのは、言うまでもなく大学生右腕2人だ。最速156キロを誇る田中に関しては早い段階から12球団が今年の目玉選手として注目し阪神も最上位候補としてリストアップ。今春リーグ戦で右肩痛を発症したが、すでに実戦復帰を果たしており評価は不動だ。

 その田中と双璧になりつつあるのが佐々木だ。1メートル81、83キロの恵まれた体格のスリークオーター右腕。しなやかな腕の振りから繰り出す直球は、最速153キロを誇る。切れ味鋭いスライダーも一級品でプロでも1年目から勝負できる「武器」を持っている。日野高時代は「都立の星」として騒がれ、3年夏はエースとして西東京大会8強入りした実力派。桜美林大でも着実に力を付けてきた。今春の首都大学リーグ戦では7試合に登板し4完封。3敗全てが0―1敗戦で67回投げ3失点(自責2)、防御率0・27と圧巻の数字。7月には日米大学野球の日本代表に選出され、開幕投手の大役も務めた。その試合で7回1失点12奪三振の快投を披露し、評価を不動のものにした。

 阪神は、早くから佐々木の能力、伸びしろに注目。今年4月には和田豊シニアアドバイザーがリーグ戦に足を運んで「腕の振りが良く、しなやかさがある」と熱視線を送り、担当の平塚克洋スカウトも「球質がいい。球速以上に速く感じると思う」と高評価し、マークを続けている。

 「右腕」であることも大きな要素だ。今季の阪神の先発投手陣は能見、岩貞、岩崎、横山ら左腕が豊富な一方で、右腕はメッセンジャー、藤浪の2人が軸。シーズン途中から青柳が先発ローテーションに定着したとはいえ、手薄であることは否めない。田中、佐々木のいずれかを獲得できれば、その弱点の強化にもつながる。

 高校生の寺島、藤平に関しても球団は即戦力級として高評価。素材なら田中、佐々木に勝るとも劣らないと見ている。ただ完成度は大学生2人が一歩先んじている現状。球団関係者は「即戦力投手の補強が必要な今年は一番いい投手に行くべきでしょう」と前向き。競合覚悟の上で「エース4枚」から最高評価の1人を選び出す。

 ■藤平 尚真(ふじひら・しょうま)1998年9月21日生まれの17歳。千葉県千葉市出身。横浜。1メートル85、83キロ。右投げ右打ち

 最速152キロ誇る右の本格派。甲子園では寺島に敗れるも潜在能力高い

 ■寺島 成輝(てらしま・なるき)1998年7月30日生まれの18歳。大阪府高槻市出身。履正社。1メートル83、85キロ。左投げ左打ち。

 今夏の甲子園大会で自己最速となる150キロを計測した高校球界屈指の左腕

 ■田中 正義(たなか・せいぎ)1994年7月19日生まれの22歳。神奈川県横浜市出身。創価高―創価大。1メートル86、89キロ。右投げ右打ち。

 最速156キロを誇るアマ球界No・1右腕。春は故障に泣くもドラフト超目玉

 ■佐々木 千隼(ささき・ちはや)1994年6月8日生まれの22歳。東京都日野市出身。日野高―桜美林大。1メートル81、83キロ。右投げ右打ち。

 高校時代は都立の星として話題に。スリークオーターから最速153キロ

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