大谷、代打20号 点滴効いた!前日脱水症状「取り返したい」

[ 2016年8月28日 05:37 ]

<西・日>9回1死、代打で中越えソロを放った大谷(右)はチームメートに出迎えられる

パ・リーグ 日本ハム7―4西武

(8月27日 西武プリンス)
 病み上がりでひと仕事!日本ハム・大谷翔平投手(22)が27日の西武戦で、5―4の9回に代打ソロ本塁打。節目の今季20号に達するダメ押し弾で、勝利に貢献した。前日26日は風邪の症状で同戦を欠場し、チームは一日天下で首位から陥落。戻ってきた背番号11が存在感を示した。首位・ソフトバンクも勝ったため勝率で1厘下回る「マイナス0・5ゲーム差」は変わらないが、王者をぴったりマークする。

 決してただでは転ばない。これが大谷の底力だ。1点リードの9回1死。武隈の3球目、内角をえぐる142キロ直球に対し、腕を畳んで振り抜いた。節目の今季20号がバックスクリーンへ勢いよく飛び込んだ。

 体調不良で緊急欠場した前夜に続き、この日もスタメン落ち。5回から代打で準備した。1点を争う緊迫した試合展開に「あそこ(9回)しかなかった。“誰が投手でもいくよ”と言われていた」。集中力を徐々に高め、「本塁打より二塁打を打っていこうと思った。中田さんに1点を返してもらえば凄く大事な1点になる」。その言葉通り、一振りに懸ける集中力はさすがだ。代打弾は通算4本目。中田が18号ソロで続き、「ON」の2者連続アーチは2年ぶり2度目となった。

 体調不良を感じたのは2日前の25日。欠場した前日は練習中から体がだるく、「いけたら良かったけど“やめておこう”という判断になった」。喉や鼻水だけでなく、発熱の症状もあった。試合開始10分前に球場から都内の宿舎に戻り、強い脱水症状があったため、宿舎近郊の病院で点滴の処置を受けた。この日は大事を取って全体ウオーミングアップ、ブルペン入りの予定はともに回避したが、フリー打撃は通常通り参加。前夜はテレビ中継で試合も見ることができず、「(ネット)速報で見ていたくらい」。1日での首位陥落に人知れず責任を感じていた。

 一度は「3番・DH」と発表された、前日の大宮公園野球場での試合。栗山監督が「(現巨人終身名誉監督の)長嶋さんがバックスクリーンに打ったのここだよね?あの時代にはなかなかあそこまで飛ばす人はいなかったはず」と目を輝かせていた。1953年夏の南関東大会。千葉・佐倉一高(現佐倉)で当時無名だった長嶋が、その名を知られるきっかけになったといわれる一発だ。期待された「伝説弾」の再現はならなくても、西武プリンスドームに場所を変えて、バックスクリーンに叩き込んだ。

 シーズン前に目標に掲げた20本塁打を達成するやいなや「まだ途中なのでもっともっとたくさん打てるように頑張りたい。昨日(26日)休ませてもらったので取り返したい」と言い切った。やはり逆転優勝への鍵を握る男だ。 (柳原 直之)

 ▼西武・武隈(大谷にソロ本塁打を浴び)凄い(打球の)音でした。ずっと西武はインコースにいっていたし、マークしていたんじゃないですか?(サインに)首を振って内角に投げたのは反省です。

 ≪22歳20号ハム3人目≫代打出場の大谷が20号。大谷の代打本塁打は昨年8月13日西武戦以来、通算4本目。今月の本塁打は7本目で、今年5月の6本を上回り自身の月間最多本数となった。また22歳シーズンの20本塁打は、この日同い年の鈴木(広)も達成。チームでは61、62年の張本、67年の大杉に次いで3人目。

 ≪2者連続本塁打は2度目≫大谷、中田が連続本塁打。大谷と中田が同じ試合で本塁打は今季3度目、通算8度目。うち2者連続本塁打は、14年7月5日ロッテ戦の初回に3番・大谷→4番・中田と打って以来2度目。

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