大谷急きょ欠場でハム首位陥落 前日から風邪症状…復帰は状態次第

[ 2016年8月27日 05:35 ]

<西・日>試合開始直前、タクシーで引き揚げる大谷

パ・リーグ 日本ハム1―7西武

(8月26日 大宮公園)
 発表されていたスタメンから突然、「大谷」の名前が消えた。試合開始10分前の午後5時50分。県営大宮球場の正面口は多数のカメラマンが陣取り、物々しい雰囲気に包まれた。日本ハム・大谷はユニホーム姿のまま、足早にタクシーに乗り込む。無数のフラッシュに包まれ、神妙な表情のまま無言だった。

 体調不良による突然の欠場。最大11・5ゲーム差をひっくり返し、今季初めて首位に立ったチームにとって、痛すぎるアクシデントだった。大谷を欠いた打線はわずか4安打1得点と西武投手陣を打ちあぐね、連勝は4でストップ。ソフトバンクが勝ち、1日で首位から陥落した栗山監督は「きのう(25日)から風邪っぽくて喉がおかしくて、どうしようかと思っていた。きょうも凄くしんどそうだった。練習でも(フルスイングで)打とうとしていなかった」と説明した。

 試合前は普段通りウオーミングアップで汗を流し、フリー打撃にも参加。練習後のメンバー交換では「3番・DH」に名を連ね、球場アナウンスでもスタメン出場が発表された。しかし、指揮官はギリギリまで悩み、直前で取りやめた。「最後まで(出場できるか)探ったけど、俺が判断した。翔平は何も(症状を)言ってきていない。45度の熱があってもいけることがある。それを止めるのが俺の仕事」。試合開始直前のメンバー表交換後、大谷の代役で近藤が出場することがアナウンスされると、球場は大きくどよめいた。立川市内の宿舎へ戻った大谷は、その後、近郊の病院へと向かった。

 ロッテに勝ったソフトバンクに勝率で1厘下回るため、再び「マイナス0・5ゲーム差」の2位。試合後の栗山監督は「結果が全てだから。何かが足りないから負けている。頑張るしかない」と大谷不在を言い訳にはしなかった。27日以降の起用について「状態次第」とした上で「状態が良くなれば考える。本人が一番、出たいと思う」と改めて期待を寄せた。残り27試合。逆転優勝へ、大谷の存在がチームの浮沈を左右する。 (柳原 直之)

 ▼日本ハム・福島芳宏チーフトレーナー 鼻(水)も出ていた。昨日(25日)からだるそうだった。(27日の出場は)明日(27日)の様子を見てから。

 ▼パ・リーグアグリーメント第30条4(2) 公式打順表(予定)に記載されている投手以外の野手が、負傷または病気のために出場不能となった場合、公式打順表を書き換えることができる。ただし、退く選手の打順を受け継がなければならない。公式打順表(予定)から外れた選手は、その試合には出場できず、出場試合数にも記録されない。(一部抜粋)

 ≪大谷過去の風邪≫

 ☆シーズン最終登板回避 遠征先の千葉から札幌ドームに移動した14年9月27日、オリックス戦(札幌ドーム)の試合前に喉の痛みを訴え(風邪による発熱)練習を欠席。翌日も札幌市内の合宿所で静養に努め、同29日の西武戦(同)を回避した。

 ☆初の開幕に向けた最終登板をスライド 風邪の症状を訴え、15年3月17日、広島とのオープン戦(札幌ドーム)を欠場。前日は球団主催のトークイベントに参加していたが、当日の朝に38度以上の高熱を出した。同27日の楽天との開幕戦(同)に向けての最終調整だった同20日の巨人戦(東京ドーム)の登板を回避し、翌21日の同戦でスライド登板した。

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