広島 25年ぶりVへ加速M16!2日で一気4つ減らした

[ 2016年8月27日 06:05 ]

<中・広>9回1死満塁、菊池が勝ち越し適時打を放つ

セ・リーグ 広島3―2中日

(8月26日 ナゴヤD)
 また逆転だ!首位・広島は26日、中日戦で8回に同点に追い付くと、9回に菊池涼介内野手(26)が1死満塁から決勝の左前打。二塁の守備でもビッグプレーを連発し、3試合連続の逆転勝ちに導いた。24日に「20」で初点灯した優勝へのマジックナンバーは2日で「16」に減り貯金は今季最多の27となった。2安打1打点の3番・丸佳浩外野手(27)とともに絶好調の「キクマル」コンビが25年ぶりのリーグ優勝へ、チームを加速させる。

 ナゴヤドームでも赤ヘルは“神”っていた。3日連続、今季39度目の逆転勝ち。前夜、9回に決勝打を放ったのが丸なら、この日のヒーローは「キクマル」コンビを結成する菊池だ。同点の9回1死満塁。中日の守護神・田島の外角低めスライダーを左前に運んだ。

 「みんながチャンスをつくってくれたので、積極的にいった。苦しかったけど、逆転を信じてプレーしていました」

 何という勝負強さだ。前日も9回2死三塁で巨人・沢村から同点の三塁内野安打で丸の決勝打をお膳立てしたが、今季は9回の打席に限れば、27打数13安打、打率・481。終盤の逆転劇には何度も菊池が絡んでいる。

 そして、試合を決めた一打以上に価値があったのが、球界屈指の守備力だ。2回2死一、二塁では中前に抜けそうなゴロをぎりぎりで捕球すると、一、二塁ともアウトにはできないと瞬時に判断し、ホームに向かって送球。二塁から一気に本塁を狙った大島は三塁を回って慌てて引き返した。

 さらに沸かせたのは、同点で迎えた8回無死一塁。大島の打球は右中間を破る。勝ち越しを許したかと思われたが、中堅・丸から二塁後方深くでボールを受けると、本塁へストライク送球。一塁走者の生還を阻んだビッグプレーを「(三塁を)回ると思ったから、そのまま。たまたまだけどどんぴしゃだった」と平然と振り返ったが、河田守備走塁コーチは「アレで試合に勝てたんじゃないかな」と評した。

 2位・巨人が3連敗したため、2日前の24日に初点灯したマジック「20」は一気に「16」に減った。四半世紀ぶりの優勝に向け、地元・広島の熱気もぐんぐん上昇している。街中には、マジックナンバーのカウントダウンパネルが登場。首位独走に入った8月上旬にはマツダスタジアムでの全試合の指定席と自由席がほぼ完売した。昨年の地元開催試合で広島県内に約248億円の経済効果があったと試算した地元シンクタンクは「優勝で昨年を上回る可能性がある。日本シリーズまで進出すれば、さらに最大で30億円が見込める」と分析している。

 攻守で躍動する不動の2番打者を、緒方監督も「キクの成長は頼もしい」と称えた。歓喜のゴールははっきり見えてきた。菊池は「突っ走っていけるよう、これからも一戦一戦頑張りたい」と力強く言った。25年ぶりの悲願へ、このまま全速力で突っ走る。

 ▽広島の前回の3日連続逆転勝利 6月17~19日のオリックス3連戦(マツダ)で記録。17日は0―4から追い付くと、延長12回に鈴木が左翼へサヨナラ本塁打。18日は1―3の9回1死一、三塁からまたも鈴木が左中間席へサヨナラ3ラン。19日は2―4の6回に下水流の2ランで同点にすると、8回にまたしても鈴木が決勝ソロ。3試合連続の決勝弾は球団では96年に江藤(現巨人打撃コーチ)が記録して以来で「神ってる」男として注目を集めた。

 ≪22年ぶり快ペース≫広島が逆転で3連勝。優勝へのマジックナンバーは24日に20を点灯させてから2日間で16まで減った。マジック初点灯から2日間でマジックを4つも減らすのは、94年の西武が9月16日にM10を点灯させて、18日にM6として以来22年ぶり。セでは93年ヤクルトが10月9日にM5、11日にM1として以来で、広島では初めて。

 ≪貯金27はV確率100%≫広島はこの日の勝利で72勝45敗2分けの貯金27。チームで貯金27以上のシーズンは80年(最多貯金33)、84年(同30)、86年(同28)以来30年ぶり4度目。過去3度はいずれも優勝しておりV確率は100%だ。

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