ダル 予告プロ1号 バニスター監督に「打てる」宣言していた

[ 2016年8月26日 05:30 ]

<レッズ・レンジャーズ>5回、中越えにソロを放つダルビッシュ(AP)

インターリーグ レンジャーズ6―5レッズ

(8月24日 シンシナティ)
 レンジャーズのダルビッシュ有投手(30)が24日(日本時間25日)、レッズ戦で「プロ1号」を中堅バックスクリーンに叩き込んだ。レ軍投手では19年ぶりの一発。投球は6回5失点で勝敗に関係はなかったが、野手顔負けの驚弾で、肉体改造の成果を打撃でも見せつけた。

 まさに驚弾。日米通算52打席目で生まれたプロ1号は衝撃的なバックスクリーン弾だった。打球の初速は野手顔負けの105・2マイル(約169キロ)を記録。ベンチのナインは目を丸くして大喜びではしゃぎ回った。普段はDH制のため、レ軍投手では97年のボビー・ウィット以来、19年ぶりの本塁打となった。

 「体を大きくして、打撃練習ではパワーがめちゃ付いていたので、おかしい感じはしていた。それが出てよかった」

 3―2の5回2死走者なし。1ボール2ストライクと追い込まれたが、1メートル96、100キロの巨体をやや前傾させ、狙っていた。90マイル(約145キロ)の速球をフルスイング。打球は中堅右の410フィート(約125メートル)地点の芝生で弾んだ。

 実はジェフ・バニスター監督に本塁打を予告していた。DH制のない交流戦登板に備えて行っていた数日前の打撃練習中に「(本塁打を)打てる」と宣言。有言実行の一発に指揮官は「打った後、“言った通りでしょう”と言ってきたよ。体の大きい選手ならではの本塁打だった」と称えた。

 右肘手術後のリハビリ期間に行った肉体改造の成果は、打撃にも表れたのだ。筋力トレーニングと食事療法で体は一回り大きくなった。7月16日のカブスとの交流戦では「打つ時に右肘がしなっていくのが怖い」と左打席に立ったが、肘の違和感が消えたことで「4、5日前から右で打ち始めた」という。2回1死一塁の第1打席も、併殺打となったが強烈な三ゴロ。本来の右打席でパワーアップした姿を披露した。

 肝心の投球は球審の微妙な判定にいらだつ場面も見られ6四死球。リードを守れず6回5失点(自責3)で降板し5勝目を逃した。「打撃が話題になっているようでは駄目」と自嘲気味に笑ったが、球速は自己最速タイの99マイル(約159キロ)を3球連続でマークした。

 日本ハムの後輩・大谷ばりの二刀流にも期待が集まるが「いいイメージで終わらせたい。二刀流は大丈夫です」と否定。それでも地区優勝に向けた終盤の戦いに向けて「DHを外して、僕を打席に立たせて」と冗談を飛ばすほどだった。

 ≪メジャー初打点≫ダルビッシュは大リーグ14打席目で3本目の安打が初本塁打。長打は14年に記録した二塁打に続く2本目で、打点を記録したのもこれが初めてとなった。大リーグでの通算打率は.214で、日本ハム時代は7年間で通算36打数5安打、打率.139。打点は08年6月17日の広島戦(広島市民)で記録した1打点のみ。東北高時代は2年春夏、3年春夏と4度甲子園に出場し、13試合で40打数10安打、打率.250だった。

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