阪神 ついにCS圏0.5差 高山プロ初満弾含む虎新人最多6打点

[ 2016年8月26日 05:30 ]

<D・神>4回2死、高山はペトリックから右中間へ満塁本塁打を放つ

セ・リーグ 阪神9―3DeNA

(8月25日 横浜)
 阪神・高山のバットがまたしても横浜の夜に輝いた。1点リードの4回2死満塁。ペトリックの初球、130キロのチェンジアップをフルスイングした。

 「打った瞬間、いったかなと思った」。打球は右中間席中段に飛び込んだ。5号グランドスラム。「大学でも高校でも、公式戦ではなかった」と喜んだが、実際は明大4年時の東京六大学春季リーグ戦の慶大戦で記録している。記憶が曖昧になるほど興奮していたのかもしれない。

 2リーグ制となった1950年以降、阪神の新人の満塁弾は2012年の伊藤隼以来、2人目。2回2死満塁では三ゴロに凡退していただけに「前の打席でチャンスをつぶしていたので、“なんとか1点”という気持ちでいきました」。勢いに乗る高山はこの試合3度目の満塁機となった6回にもブロードウェイの初球を振り抜き、右翼線2点適時二塁打。1試合6打点は阪神の新人野手の最多記録となった。

 チームが貧打にあえいだ7月上旬。若手野手たちが金本監督の意向で試合後、鏡のあるベンチ裏で素振りを行うことがあった。その中にはもちろん高山の姿も。「学生の時も素振りはもちろんしたけど、鏡の前に立って、自分のフォームを見ながら振る機会は少なかった。良い感覚があります」。現在でも試合前練習のフリー打撃の後、数回素振りをして終えることもある。球団の歴史に名を残すルーキーの活躍に金本監督も「率と長打が伴う打ち方という指導をしてきたから。その成果かな」と成長を認めた。

 チームは4連勝。3位・DeNAとの直接対決に3連勝し、CS進出圏に0・5ゲーム差と肉薄した。夏の長期ロードを11勝9敗と勝ち越し、甲子園へ戻る。この3連戦で計8安打を放った連夜のヒーローは「まあ、最高ですね!」とクールに感情を高ぶらせた。 (巻木 周平)

 ≪12年伊藤隼以来≫ルーキーの高山(神)が4回、初の満塁弾。新人の満塁本塁打は12年9月27日ヤクルト戦の伊藤隼(神)以来4年ぶり史上55人目、56本目。阪神では36年10月23日大東京戦の伊賀上良平、伊藤隼に次ぎ3人目となった。6回には2点二塁打も放ち自己最多の1試合6打点。今季の打点を50としたが阪神新人のシーズン50打点は、48年別当薫57、50年徳網茂69、69年田淵幸一56、80年岡田彰布54に次ぎ5人目だ。

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