陽“ダイカン流”で11号3ラン「相手の一番いいボール狙っている」

[ 2016年8月24日 06:36 ]

<ロ・日>初回2死一、二塁、右越え本塁打を打った陽(左端)を出迎える大谷(中央)らナイン

パ・リーグ 日本ハム4―1ロッテ

(8月23日 QVCマリン)
 初回2死一、二塁。3球続いた直球だった。ロッテの先発・スタンリッジが投じた低めの148キロを日本ハムの陽岱鋼(ヨウダイカン)は見逃さなかった。「(田中)賢介さんがつないでくれて、僕にチャンスが回ってきた。力負けしないようにコンパクトに振った」。そう振り返る打球は、3ランとなって右翼席に飛び込んだ。

 7月8日のロッテ戦(札幌ドーム)以来、実に35試合ぶりとなる11号は試合を決める価値ある一発となった。本塁打こそ久しぶりだが、その35試合で出塁していないゲームはわずか7試合。この日の本塁打の打席までの得点圏打率は・347で、チームの規定打席到達者の中ではトップと相変わらずの勝負強さだ。

 その根底に陽岱鋼ならではの哲学がある。「僕は相手投手が持っている一番いいボールを狙っている。(スタンリッジは)真っすぐが強いからね」。好打者である以上、相手投手は自分の得意な球で勝負してくる。そこで真っ向勝負を挑むのが「ダイカン流」。狙った直球を強引に引っ張りにはいかず、右方向へコンパクトに打った打撃技術も光っていた。

 打線では大谷、西川が好調だが、主砲・中田の不振が続く状況で右打者として陽岱鋼にかかる期待は大きい。19、20日のソフトバンク戦(札幌ドーム)では2試合無安打に終わり、チームは大事な首位攻防戦で連敗を喫した。「打てるボールはしっかり仕留めたい」。6番での起用が続き、打席数は少なくなるが、貪欲に結果を求める。

 ソフトバンクとのし烈な首位攻防は、これからさらに激化する。一進一退の状態だが「それ(ソフトバンクの勝敗)は関係ない。僕らがちゃんとやればいいこと」と言い切った。目の前の試合に集中する。それもまた「ダイカン流」。頼れるポイントゲッターは、大逆転Vをしっかりその視界に捉えていた。

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2016年8月24日のニュース