【逆襲Gのシナリオ】ルーキー山本、2軍から合流…クルーズに無言の叱咤

[ 2016年8月24日 08:27 ]

<巨・広>9回表攻撃前のグラウンドを見つめる高橋監督

セ・リーグ 巨人1―0広島

(8月23日 東京D)
 セ・リーグ優勝の行方を占う、巨人―広島3連戦。2位・巨人は3連勝しなければ、首位・広島にマジックが点灯する崖っ縁だ。負けられない戦いに挑む巨人の舞台裏を3日間にわたって連載する。

 午後4時30分。高橋監督は老川祥一オーナー(74)が待つ東京ドームの一塁側の来賓控室に入った。9分間の激励の後、2人は選手サロンへ。オーナーも加わった決戦直前のミーティングは7分間に及んだ。

 長嶋茂雄終身名誉監督も観戦した中、劇的なサヨナラ勝利。引き分けでも広島にマジック点灯の崖っ縁で、高橋監督はある手を打っていた。ルーキー山本を2軍から呼び練習に加えた。狙いはクルーズへの無言の叱咤(しった)。4月下旬に痛めた左足首の不安を抱え、最近5試合で先発出場は1試合のみだった。能力は高い一方「痛みに弱いというか、すぐに痛いと言う選手」とある球団関係者。狙い通りにクルーズは3戦ぶりの先発出場で12日のヤクルト戦以来の安打を放った。

 マイコラスを中8日、菅野を中7日、田口を中5日と、登板間隔を調整して「3本柱」を立てた必勝シリーズの初戦は0―0のまま終盤までもつれたが、継投も決まった。「直接対決なので大事だと思うが、どの試合も同じ。やることは一緒」。戦前の細やかな目配りと準備の一方、普段通りの采配。好機で必要以上に気負った広島とは対照的だった。

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2016年8月24日のニュース